月曜日のCOMPASSです。
COMPASS大野城のお友達は、今年の春、小学生になりました。
お友達は、就学準備も本格的になる昨年の秋から毎週1回COMPASSに通い始めました。
保護者様のご要望は、まず「言葉でのコミュニケーションが取れるようになって欲しい」というものでした。
また、日常の生活動作のほとんどが確立していないため、トイレをはじめとした身辺自立を望まれていました。
そのほかにも自分の名前が書けるようになって欲しいし、お友達と仲良く遊べる様になって欲しいとも希望しておられました。
希望を受けて作成した個別支援計画は、COMPASSで遊びや学習など沢山の学びを経験し、1つでも多くの言葉の習得を目指し、いずれ会話が出来る様になっていけるように導きます。
お友達の当時の発語は、そのほとんどが喃語ばかりで、意味のある語ではありませんでした。
着座を促すと座りはしますが、正しい姿勢で座れず、すぐに離席しがちでした。
教具を見せたり、課題を提示してみると、好みのものや興味を引くものには目を輝かせて取り組む様子を見せます。
一方、苦手な学習課題には難色を示し、取り組もうとしませんでした。
課題の後に待っている皆のお楽しみ自由時間になっても、お友達だけはおもちゃを取るでもなく、友達の輪に入るでもなく、部屋の中をただ歩き回るだけでした。
来所後はまずトイレに案内するのですが、ひとりで用を足せず、その後は声かけがないと自分からトイレに行くこともありませんでした。
数の認知については、これまで自宅で親しんできた教材で暗記した英語で数をただ唱えられるだけで、数の認知、量の把握は出来ていませんでした。
日々の療育がスタートしても、お友達はしょっちゅう離席です。
そして、決まってその都度、何度も着席の声かけをし続ける先生の姿がありました。
姿勢の保持に必要な体幹が弱いだろうということは原因の1つと考えられますが、座り心地が悪いのか、しっくりこないのか、座っていてもモゾモゾ体が動きます。
そこで、お友達の体格に適した椅子を選び、クッションを置くなどして、より座り心地の良い環境に配慮しました。
当初のお友達は、周囲の話し声が耳に入り、誰かの動きが目に入り、目の前の課題よりそちらが気になって仕方ないようでした。
そこで、集中出来るように個室での学習や、パーテンションの利用で改善を試みました。
少しずつ取り組める時間が延びていき、一定時間の集中が見られるようになってからは最初に予定を示し、見通しが立てられるように導いていきました。
難語がほとんどだったお友達、まずは発語のために口腔運動や50音唱和に取り組みました。
語彙の意味理解を確かめる目的もあって、絵カードを見せながら「〇〇はどれ?」と先生が尋ね、お友達が指差して答えるポインティングも取り入れました。
絵本の読み聞かせもお友達の言葉への理解が進み、喃語から意味のある言葉の表出へと繋がる課程として大事なものでした。
皆で遊んでいる余暇の時間や、小集団での活動など、あらゆる機会をセッティングし、お友達同士触れ合いながら、関わり方の学びを実践で行いました。
トイレのトレーニングは日々継続して習慣化に努め、場面の切り替え時のトイレ誘導をルーティンにし、成功体験に繋がるよう声かけをします。
また、お友達にトイレに行きたそうな素振りをしたときにも見計らって声をかけ、「トイレ」という言葉の意味する行動を理解し、自分で「トイレ」と発することができるように促しました。
その他にも積み木やビーズ通し、シール貼りなどの巧緻動作の練習、トングや補助具を使用して箸動作の練習で、細かい作業や箸使いに慣れるように取り組んでいきました。
3ヶ月ほど経つと、お友達はCOMPASSに慣れ、学習が当たり前になり、「わかる」「できる」が増えていくと、お友達は苦手な課題でもひどく拒否をするようなことはなく、素直に取り組めるようになってきました。
(後編へ続きます。)
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