COMPASS古賀夏のイベント「僕たちの夏祭り」 | COMPASS（コンパス）発達支援センター

COMPASS古賀　夏のイベント「僕たちの夏祭り」

2022年8月31日

水曜日のCOMPASSです。
8月最後はCOMPASS古賀で行われた夏休みのイベント「夏祭り」をご紹介します。
全国のCOMPASSでは、これまで長期の休みになるとお出かけする事業所も多く、大きな公園に行ったり、川遊びをしたり、図書館の読書会・地域の子ども向けイベントやお祭りに参加したりと、たっぷり汗をかいて、笑い声で溢れる夏のイベントが盛りだくさんでした。
しかし、ここ数年はコロナ禍のためにイベントもお出かけもずいぶんお預けです。

日頃は、園や学校が終わってから数時間だけの活動しかできません。
今回のイベントは、夏休みにお友達の楽しい思い出を作ってあげたいという先生達の願いでした。
まず数日かけてお友達皆で協力して準備に取り掛かります。
どんなお祭りだろう？
初めてのお友達は、何だかわからないけどワクワクが止まりません。
経験したことのあるお友達も、過去のイベントを思い出しながらワクワクです。

開催日の２週間以上前からお友達みんなと先生で力を合わせて準備です。
看板やくじ引きの箱作りのダンボール、画用紙、色紙が用意されました。
一人ひとり年齢も、家庭環境も、困りごとも違うお友達は一緒に作業に取り掛かります。
作ること自体を楽しみながらも、限られた道具の貸し借りや、最後まで取り組む学びも盛り込まれています。

同じ部屋で、同じ目的のための作業にあたりますが、協働制作にはまた別の大きな学びがあります。
夏休みには日頃触れ合うことのないお友達とも交流し、コミュニケーションを図り、作る喜びや楽しさを共感するという狙いもあります。

先生の指示や説明はあるものの、計画通りにはいきません。
「僕はこうしたいんだ！」「私はこうしたいの！」と、それぞれの想いがぶつかるシーンがたくさんありました。
それでもお友達は皆、日頃から教わっている「順番を守ること」「譲ること」「一緒に頑張ること」を思い出し、自分の思い通りにならないときでも、それぞれのやり方で気持ちの切り替えを頑張ろうとする姿に「成長しているんだなあ」と感慨深い先生達です。

日にち感覚がまだ育っていないお友達も、もう楽しみで仕方ないらしく、「今日がお祭り？」と毎日同じ質問を繰り返すほどでした。
こうしてお友達はそれぞれたくさんのことを学びながら、いよいよイベントの当日を迎えます。

今回のイベントは夏のお祭りにつきものの「屋台」を再現です。
お店は「輪投げ」「くじ引き」「お菓子釣り」「ボーリング」「ヨーヨー釣り」などがありました。
もちろん始まる前には「順番を守ること」「あまりくっつかないように気をつけること」「１つのコーナーでひとり１回だけ」といった注意事項が伝えられました。

お友達は交代でお客さんと店員さんに分かれ、店員さん役のお友達は、最後まで責任を持って対応することも学びます。
人と話すのが苦手なお友達も店員さんになって、普段関わらない相手と話したりと、一生懸命コミュニケーションを取る姿が見られました。
お客さんのお友達は、ゲームをしている他のお友達の応援をしたり、仲良く一緒に見て回ったり、普段あまり見られない姿を見せています。
どのお店でも大盛況ですが、特に「くじ引き」は大変な盛り上がりを見せていました。

準備から手伝ってきたお友達は皆どんな景品があるのか知っていました。
「ひとり１回だけ」という公平さはあるものの、お友達にとっては景品の当たり外れは当然あります。
自分の引き当てた景品よりも、どのお友達に何が当たるか、自分の欲しかった景品が誰に渡るか気になって仕方ないようで、たくさんの思いが交差します。
自分の番が終わっても景品を見せ合ったり、おしゃべりしたりと長い時間「くじ引きコーナー」に留まっていたようです。

想像はしていましたが、引き当てた景品に納得できず、「もう一度やりたい！」と訴えるお友達もいました。
なんとか気持ちの折り合いをつけて、切り替えて楽しんでくれるよう話す先生です。
納得できず、帰宅するまで切り替えられないお友達もいたそうですが、それでも先生との会話で「あれが欲しかった」という思いと「自分だけもう１回はずるい」という正義感とで葛藤しながら、結果として本当に生きた良い経験が出来たようでした。

当日の店員さん役はどのお友達も最後まで責任を持って取り組めましたが、準備段階では製作が得意なお友達がひとりでどんどん進めてしまったり、また別のお友達は人任せにして作業に参加しないといった「みんなで一緒に」という目標からのずれがありました。
これは先生の課題として、次回からはみんなが平等に準備に参加できるように、得意不得意や集中力など、一人ひとりの適性を考えた作業の細分化を図って、全員で取り組み、達成感を共有できるように企画していきます。
企画段階から1ヶ月ほどかかりましたが、先生達はどのお友達からも「楽しかった！」「またやりたい！」と最高の笑顔をプレゼントされ、先生も嬉しい気持ちになって、誰もが大満足の夏のイベントでした。