COMPASS善通寺 立って、歩いて、笑って(1)

金曜日のCOMPASSです。
善通寺にこの春から通い始めたのは、先月4歳になったばかりの男の子。
お友達はひとりで立ち上がって歩くことができません。
呼びかけにも反応はほとんど見られず、声をかけても目が合いません。
自発的な発語がなく、話しかけた先生の言葉も理解できていないようです。

保護者様はお友達が歩けるようになり、自立した生活が送れるようになって欲しいと願っておられます。
食事も介助が必要で、自分で食事が摂れるようになって欲しい、また言葉が増えて会話などのやり取りが出来るようになって欲しいとも切に願っておられました。
COMPASSの個別支援計画では、言葉に触れる機会を多く持ち、発語を促して言葉のアプローチに取り組み、ついで先生やお友達と一緒に楽しい活動や経験を重ねて、自分の気持ちを単語やジェスチャーなどで伝えられるようになることを目指します。
一つひとつ、確実にお友達が自分で出来ることの範囲を広げながら、生活に必要な習慣を身に付けられるように指導していきます。

お友達は週に2回通うことになりました。
終日利用なのでお弁当を持参します。
お友達の食欲は旺盛で、食べることは大好き!
お弁当を開けると、お友達はそれが当然のように口を開けて待っています。
しばらく様子を見ていると、食べさせてもらえないと思ったお友達は怒りだし、叫びながらスプーンを投げてしまいます。
そこで先生が手伝って食べさせてあげると積極的に口を動かしますが、咀嚼が難しいようです。

お友達くらいの年齢だと、口の環境が未完成で”吸い食べ”や”くちゃくちゃと音を立てて食べる”のは珍しいことではありません。
食べ物が口に入った後に口唇がきっちり閉じていないと食べるときに音がしたり、食べ物を口からこぼしやすくなります。
奥歯でちゃんと噛んでいるかどうかも大切なポイントで、奥歯で噛まずに前歯だけで噛んだり、前歯の裏側に食べ物が入ってしまうと、いわゆる吸い食べになってしまうので、こちらも注意深くチェックしていきます。
正しい発音で言葉を話すためにもこの口腔内の環境が大切なので、お友達には前歯で噛み取り、食べ物を奥歯に送って咀嚼する正しい食べ方を指導する必要がありました。

ごはんは食べさせてもらうものだと思っていたお友達。
そこでまず挑戦する気持ちを育てようと「スプーンを持つ」ことに慣れるという取り組みから始まりました。
まずお友達にスプーンを握らせ、そのスプーンにひと口分のごはんを乗せ、そのまま手を口に運びます。
共同作業でごはんを口に運ぶこの動作を何度も繰り返し、徐々にその手伝いを減らし、お友達が自分で口に運べるように促していきました。
そして、ついにお友達がひとりでごはんを口に運べたとき、周りにいた全員が口々に「すごいね」「上手、上手!」「ひとりでできたね!」と褒めちぎる言葉をシャワーのように投げかけました。
その後、何度もそんな素敵なシーンがあり、少しずつ食事をするという行為に慣れていったお友達です。

歩行についても、お友達には食事と同じように「立ち上がって自分で歩こう!」という意欲が見られなかったといいます。
移動は誰かに抱きかかえてもらうか、座ったまま尻ばいで動くことが習慣づいているようでした。
とはいえ、全く立てないわけではなく、誘導の手があれば歩くこともできます。
そこで、移動の際は必ず先生がお友達に前から手を伸ばし、両手を繋いで一緒に歩き、歩いて移動することが定着するように試みました。
お友達は音楽が大好きで、好きな音楽やリズムに乗せて歩くことで、気分が乗らない様子のときでも楽しく取り組めるように促しています。

できなかったことが数回の練習や1度成功しただけでは、継続的に成功し続けることはまずありません。
成長につながる小さな出来事がたくさん積み上がって、目指すゴールへ近づくのですが、お友達との関わりでは目が合わず、硬い表情のままで、笑顔はなく、先生たちはなかなか手応えを感じられなかったといいます。
それでも繰り返しの療育は続き、きっかけが見え始めたのは利用開始から3ヶ月ほど経った辺りからでした。

COMPASS善通寺
所在地:〒765-0031
    香川県善通寺市金蔵寺町43番地1
連絡先:087-735-9538

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