COMPASS多良見 癇癪から笑顔まで(1)

木曜日のCOMPASSです。
COMPASS多良見に昨年から通い始めたお友達がいます。

当時お友達は小学校2年生の夏休みでした。
彼女はひとつの物事に集中することが苦手です。
気分の乱高下が激しく、自分の許容できる範囲の内側に誰かが入ろうものならひどく嫌がり、強い口調になってしまいます。

攻撃は自分にも向けられ、思い通りにならないと自分で自分の頭を叩いたり、髪を強く引っ張ったりするのだそうです。
そんなお友達は、きちんと座った姿勢で学校の授業時間終了まで授業を聞いて過ごすことができません。

保護者様は、お友達に授業中は集中できるようになってほしい、また気分に振り回されるように動き回るのではなく、落ち着いて活動できるようになってほしいと願っておられました。
何よりお友達同士で楽しく過ごしてほしいんですと話しておられたそうです。

COMPASSの個別支援計画は、気分に左右されることなく活動に参加し、先生やスタッフの指示を理解して行動できるようになることを目標と定めました。
そしてお友達と遊びを共有し、みんなと仲良く過ごすことができるようになることを目指していきます。

癇癪は気持ちのコントロールがうまくできないときに現れやすく、癇癪を起こして思い通りに物事を運ぶことに慣れてしまい、ある意味コミュニケーションの手段として習慣化してしまうこともあります。
元々はオムツが濡れて泣くなど、激しく不愉快な感情に陥ったときなどの生理的な癇癪から、「こうすればうまくいく」といった学習性の癇癪へと変化していくのだそうです。

ワッと癇癪を起こせば思い通りになっていることを、言葉で伝えて理解を求める行動は、お友達にとってかなり遠回りで面倒なことに感じられ、定着させるまでにはある程度時間がかかると考えられました。

COMPASSに週に2回通うことになったお友達。
2年生のお友達との個別指導ではひらがなの読み書きを中心に、先生との会話を通して癇癪を起こすことなく気持ちを伝える会話の練習、そして決まりごとのある集団活動の体験を積み重ねていきました。

着座時間を伸ばせるように意識しながら、文章をひらがなで書き、数字を随所に入れた作文を書くという課題に挑戦しました。
学習では気持ちの安定や思いの表現の助力になればと、お友達が大好きなお母さんへのお手紙を書くという課題も取り入れました。

人との関わりの中で学ぶ心のやりとりでお友達や職員との関わりを深める活動に参加する機会を作りました。
最後まで粘ってほしいのですが、取り掛かったものの、失敗することが嫌なお友達はその課題が難しいと感じた途端、やめてしまうことがありました。
ともかく最後までやり切ってもらいたいと、お友達が好む、楽しいと思える活動を取り入れていきます。
好きな課題であれば意欲が見られ、たとえ挫けそうになっても、失敗してもいい!という考えに変わっていきました。

自分の気持ちにそぐわなかったり、要求が通らないときは、決まって癇癪を起こすお友達。
そんなとき先生は時間をとってお友達と向き合い、気持ちを汲み取り、共感し、お友達の思いを代弁するように心がけました。
イライラで癇癪を起こしたいだけなのか、その癇癪はどこからくるのか、どう感じて、本当はどうしたかったのか?どう伝えたかったのかと解決の糸口をしっかりと対話しながら突き詰めていきました。

対話を重ねていくたびに、少しずつもつれてぐちゃぐちゃに絡みあった糸が少しずつ解けていくようでした。
その様子が明らかに変化してきたのは夏休みが終わり、2学期になってしばらく経った9月の終わり頃だったといいます。
(後編へ続きます。)

COMPASS発達支援センター多良見
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