COMPASSべっぷ 言葉と学校とお友達(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASSべっぷのお友達は小学校2年生、今年2月から通い始めました。
ご相談を受けたとき、お友達はほとんど学校に通えていなかったといいます。

登校できていないだけでなく、お友達は着座姿勢の意地ができず、離席が多かったそうです。
自分の思い通りにことが進まないと、お友達は決まって癇癪を起こします。
癇癪が起きると、声を上げて泣き出し、壁に頭を打ち付けたりという激しい様子を見せます。
伝わらないもどかしさと、いきなり激しい怒りがお友達を学校から遠ざけていた原因だったようです。

保護者様は、何よりもまず学校に通えるようになってほしいと望んでおられました。
ただ学校に通うことだけでなく、苦手な切り替えができるようになってほしい、また、今は自宅で家族だけにしか伝えられない自分の気持ちを誰にでもちゃんと伝えられるようになってほしいと願っておられました。

COMPASSで立案した計画は、お友達の自己肯定感を高め、お友達が感情出せるように、また自身の想いや伝えたいことを言えるようになることを目指します。
COMPASSで過ごすことに慣れてきたら、次のステップとして周囲と関わり、勝ち負けのあるゲームなどでルールを守ることを学んでいきたいと考えました。

お友達は週に2回程度の無理のない回数から取り組むようにしました。
先生はまずお友達と仲良くなろうと努め、たくさん話しかけて、お友達の声を待ちました。
先生の問いかけに、お友達はぽつり、ぽつりと答えようとするのですが、その口は重く、滑らかな回答ではありません。

先生は、お友達が言いたいこと・伝えたいことが何かわかっていても、あえて代弁しませんでした。
そこには、それがどんなにつたない言葉でも、何らかの言葉を口にすることで「伝わる!」という喜びを得てほしいという狙いがありました。

個別指導では、わずかな時間しか目の前の課題に向き合うことができません。
長く座れないのは、内容が難しいのか、退屈なのか、または気分が乗らないか、基本的に着座習慣ができていないかだと考えられます。
その着座習慣が定着しないのは、大きく分けて筋力が未発達なことか、もう一つは体や心の癖であることが多いとされています。
その解消も考えて、お友達には静の動きである座れるための解消方法として、動の運動プログラムを活用することにしました。

そのほかにお友達と取り組んだのは「みつば日記」「日記の発表」「ルールや勝敗のあるレクリエーション」などで、言葉や気持ちを表に出すためにや役に立つ課題がメインになっています。
取り組みの際には、お友達が「今・何を・どうすべきか」を自分自身で理解し、自分で行動を選択してできるように、活動の開始前には事前にスケジュール確認を怠りませんでした。
お友達が飽きることなく課題に取り組めるよう、その時間が長くなっていくようにたくさんの工夫を凝らしました。

お友達は、1つの課題や遊びに取り組み始めると、予定時間になってもなかなかやめられず、帰る時間になっても片付けられないといったことが度々ありました。
頭では理解しているはずですが、それでも楽しいことがやめられなかったり、逆に思い通りにならないときにはたちまち癇癪を起こし、声を上げて大泣きしてしまうお友達です。
そうかと思えば、活動に飽きるとすぐに他所に目が移ってしまい、席に戻るよう促されるとやはり癇癪を起こしてしまいます。
その度に何度も話し合い、スケジュールの確認を繰り返し、疎かになったときには何回も声をかけ、自主的に動けるように導きました。

こうして過ごしていくうちに真冬から春へと季節も移っていきました。
お友達がCOMPASSに通うことを楽しみにしてくれるようになり、短時間ではありますが、学校へも行ける日が増えてきたのは、通い始めてから半年が経ち、真夏になった頃でした。

    

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