COMPASS樟葉 ニコニコ笑顔の通い道(1)

土曜日のCOMPASSです。
COMPASS樟葉に通う年少さんのお友達。
保護者様が初めて来所されたのは昨年の1月。
入園にあたり、色々と不安な要素があるのでと相談に来られました。

お友達は母子分離ができず、見慣れない場所にひどく不安に陥る傾向があるのだそうです。
あまり周囲のお友達に関心を示すことがなく、別のお友達が近づいてくると、手をあげてしまうことも。
発語はあるものの、その言葉は拙く、意思を言葉で伝えるよりも、思うままに行動してしまいます。
気持ちや場面の切替えも難しく、「おしまい」と指示を出しても、すんなりと終わらせることができません。
保護者様はこれらの状況の改善を願われ、笑顔で就園を迎えて欲しいと強く願っておられました。

これを受け、個別支援計画では、お友達が自分自身とその周りの狭い世界だけにしか関心を持てない状況から、周囲にも目を向けられるように導いていくことを目指します。
「今」「ここ」にしか向けられない関心から、一つ先の見通しが持てるようになり、活動への意欲や気持ちの切替えがスムーズになること、しっかりと目を見て意思疎通ができるようになり、楽しく交流ができる人間関係の向上を目標としました。
その過程の中で、家庭や家族以外の楽しい場所や好きなお友達ができ、楽しく園に通って欲しいと願い、お友達との日々がスタートします。

とはいえ当時はまだ2歳のお友達です。
興味を持って楽しく参加できるごっこ遊びや、絵本などの課題を選択しました。
その中で先生はたくさん話しかけ、答え方方を教えていきました。
話しかける際は、視線を合わせるように誘導します。

通い始めた頃は、COMPASSに入室することも一つのハードルでした。
保護者様となかなか離れられません。
人への興味や見通しがなく、保護者様が見えなくなると不安でいっぱいになり、どんな声掛けも伝わらないお友達。
そこで、お友達が気に入っている遊びで誘い、入室を促します。
お友達と一緒に遊ぶことで先生との関わりを受け入れ始め、たくさん関わるごとにお友達は先生が大好きになっていきました。

その一方で、気に入らないとカッとして手をあげそうになるお友達。
できるだけ先回りして穏やかに過ごせるように努めますが、我慢できずに手を出してしまったときは、先生はお友達としっかりと目を合わせ、勿論ルールとして手をあげてはダメだとしっかり伝えますが、叱られたという嫌な記憶だけが残ることのないように努めました。
集中も続きません。
すぐに離席し、遊んでくれたお気に入りの先生を探しに行ってしまうことも度々ありました。
課題は短時間で終えられるものを複数準備し、くるくると手札を変えるようにお友達の取り組みを工夫しました。


語彙も少なく、思いつくとサッと行動に移すことが多かったお友達。
その行動を先生は言葉で表し「〇〇したかったんだね。」などと何かの回答を口にしてくれるように声をかけ、会話を促していきました。
お友達がCOMPASSに初めて来たのは2022年の2月の2日。
その日付に相応しく、2ヶ月後、お友達はニコニコで入園式を迎えることができたのでした。
(後編へ続きます。)

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