水曜日のCOMPASSです。
2月にオープンしたCOMPASS神埼リーフに系列の事業所から元気な4歳の男の子が移ってきました。
元気いっぱいのお友達ですが、落ち着かず、集中を持続させることが難しいと言います。
また言葉によるコミュニケーションもまだ得意ではないようです。
保護者様は、まず着座姿勢の維持と、苦手な片づけや静かにしていることを少しずつできるようになって欲しいと願っておられます。
またお友達は構ってほしいときに気づいて欲しくて人を手で“ポンッ”と叩いたり、玩具をわざと投げたりすることがあるので、そういう行動がなくなってほしいこと、また小学校に入るまでの準備をしてほしいと成長への想いを話しておられました。
前の事業所から継続した個別支援計画は、COMPASSでの約束を守ることや、お友達の気持ちに耳を傾けることができるようになって欲しいと願うものです。
リーフ以前から着座姿勢の維持を目指し、少しでも長く着座時間が延びて目の前の課題に集中できるように促し、言葉を学び会話の上達も目指しました。
集団でのルールや、マナーを守ることでお互いが気持ちよく過ごせるということを学ぶために、小集団に少しずつ参加して、お友達同士仲良く過ごせるように促していきます。
人との関わりの中で、危険なことを知り、お友達に対してやってはいけないことなどをしっかりと学び、習慣化できるように導きます。
お友達との学びに活用したのは主に積み木、絵カード、ひも通し、おはじき、そしてCOMPASSのプリントです。
とにかく元気で、気持ちが向かないことには目もくれず、興味を覚えたことにはこだわるお友達です。
始めのうちは、着座を促してもすぐに離席ばかりでした。
これに対して先生は繰り返し何度も声を掛け、「お勉強するよー!」と、戻って座るように促しを続けます。
着座した机にはお友達の好むイラストやカラフルなビーズや色板を使うなど、楽しめる教材を並べて少しでも「座ること・座って取り組むこと」に慣れていくように工夫します。
やがて少しずつ着座時間が延び、同時に集中できる時間も延びていきました。
人と関わることは会話でもルールを守ることでも苦手なお友達。
集団活動を促しても嫌がって部屋の中を走り回ります。
お友達みんなで活動する楽しさに目覚めて欲しいと、例えば工作だと見本を見せたり、どんな活動なのかとイラストで説明したり、先生たちは工夫を凝らして少しでも参加できるように道を作っていきました。
実は興味があるのに、気持ちの抵抗があって素直に参加できないでいる様子のときは、何度も声をかけて誘いました。
少しでも参加する様子が見られるだけで、先生はこぞってお友達を褒めました。
そして本当に少しずつですが、集団活動の楽しさがわかってきて、参加できるようになっていったお友達です。
それでもしばらくはお友達を叩いたり、物を投げたりする行動は見られていました。
その都度指で「×」をつくって視覚的に表示し、同時に「ダメだよ!」と行動を正す声掛けを繰り返しました。
気持ちや考えを伝えることが難しく、言葉よりも先に怒っていても、遊びたくても叩くという行動をしてしまうお友達。
その度に注意するだけでなく「遊びたいときは遊ぼうっていうんだよ。」というように、伝え方も教えていきました。
当初はいつも走り回っているお友達の姿がありました。
追いかけると興奮が増すようで、落ち着かず、全く人の話を聞こうとしません。
まずは興味がある教材や絵カードなどでお友達の気分がノリノリになるように促し、短時間でも落ち着いて過ごせるようにと気が散らないようにパーテーションで囲ったりと環境を整え、話し手である先生の方もゆっくり丁寧に話すことを意識していくと、お友達は少しずつ耳を傾けられるようになってきました。
走り回ることが減り、座れる時間が延び、先生の話を聞くことができるようになったのは神埼リーフに移ってから2週間ほど経過した頃だったそうです。
(後編へ続きます)
COMPASS神埼リーフ
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