金曜日のCOMPASSです。
COMPASS本部教室のお友達は、通い始めてちょうど1年が過ぎたところです。
お友達は人見知りで、人や環境に馴染みにくかったのだそうです。
また、相手の話を理解できていても言葉が出ず、思いが伝わらないもどかしさで泣き出してしまうお友達です。
保護者様によれば、保護者様はお友達の様子や言葉の一部で気持ちを察し、いつも先回りして動いてしまうということが日常だったそうですが、保護者様はお友達が「何がしたい」「何が欲しい」等、言葉で伝えられるようになって欲しいと切に願っておられました。
COMPASSでは個別支援計画立案に際して、保護者様の願いを汲み取り、まずはCOMPASSに慣れること、そして言葉で伝えられるように支援していくことを目標としました。
やがて、いろいろな活動に挑戦したり、さまざまな経験をしていきながら、自分のことは自分でできるように促していきます。
COMPASSの先生たちの最初の課題はお友達の人見知りと向き合うことでした。
これまで何度もご紹介していますが、COMPASSには決まったルーティンがあります。
ルーティンではCOMPASSに到着すると、玄関に元気にご挨拶をするところから始まります。
やはりお友達は人見知りが強く、見慣れないCOMPASSという場所にすぐに馴染むこともありませんでした。
まずは挨拶からと、先生が手本を見せながら「挨拶をしましょう。はい、こんにちは!」と優しく促してみますが、お友達は俯いたままで一言も発することはありませんでした。
人の心は大地に似ています。
受け入れる態勢になっていないときには、まるで粘土質の泥土のように、1滴の水も入ってはいきません。
ところが素直に受け入れる状態であれば、どんどん水を無限に吸っていく、そこはまるで砂地のようです。
まだよく知らないCOMPASSで、馴染みのない先生たちがいくら優しく促しても、到底聞き入れられるものではありません。
ましてや新しいことに挑戦しよう!という意欲など、心の奥のまた奥に眠ったままだったことでしょう。
お友達の気持ちにも寄り添い、優しい声かけを続け、なんとかルーティンを終え、着座にまで漕ぎ着けます。
まず先生たちはお友達が何に反応を示すのか、興味を持つのか?といったものを確かめるところから取り組みました。
お友達、どうやら運動は大好きなようでした。
片足立ち、ケンケンパ―、風船バレーなどで楽しく活動することでリラックスでき、心の準備を整えてから活動に臨みます。
お友達は話せなくても、実はたくさんの言葉を知っていました。
絵カードや、読み聞かせの絵本に登場する動物や果物の名前は、とてもよく知っていて、先生を模倣して言うことはできました。
名前を言えると、先生は「上手ね!すごいね!」と極上の笑顔で褒め称えてくれました。
お友達の場合は馴染むことも課題です。
そこで余暇の時間にCOMPASSで楽しく遊ぶことも学習と学習の間の一つの活動として組み込んでみます。
たくさんのおもちゃから好きなものを選んで過ごすお友達。
それがすっかり楽しくなってしまうと、次の活動への切り替えがスムーズにできないこともありました。
そこで先生は「このお勉強が済んだら、これで遊ぼう!」と見通しがつくように声を掛けました。
こういった条件をつけて行動を促すものは強化子と言われます。
ABAでよく使われる「強化子」とは、行動を増やすものを指し、頑張った後でご褒美があるとよりスムーズに良い行動を増やし、導けるというものです。
一つの行動を取ることに慣れ、やがてそれが当たり前となり、習慣となることを期待して日々トレーニングを続けていきます。
知っている単語は話せるお友達、しかしこれは会話とつながってはいませんでした。
そこで経験の積み重ねのため、間接的にでも、会話に参加できる機会をどんどん作っていきました。
お友達が傍観者のようにいるだけでも、先生は挨拶や声をかけ続けたり、遊びでも必然的に会話が飛び交うような「ままごと遊び」等で湧き出る言葉の泉にお友達を浸すように心がけていきました。
また、50音唱和で皆と一緒に音読するときには、お友達のそばに寄り添い、発声を促していきました。
繰り返し繰り返し何度でも・・・
こうしてお友達がCOMPASSで初めての夏を迎えた頃に、成果が見られ始めます。
(後編へ続きます。)
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