COMPASS天籟寺 お友達のSST(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS天籟寺に通う元気なお友達は通い始めて1年8ヶ月が経ちました。
一昨年の秋から通うお友達ですが、気分に左右され離席があったり、ときには他害行動も見られていました。
なかなかお友達同士のコミュニケーションや交流もスムーズとはいかない様子です。
着座して取り組む学習課題では文字を書くことが面倒なのか、特に嫌がっていたのだとか。

保護者様としては「楽しく学校に通って欲しい」そして「お友達とのコミュニケーションが出来るようになって欲しい。」と話しておられました。
先入観で行動を狭めてしまう傾向があるので、苦手意識を持たずに新しいことにチャレンジできるようになって欲しい、そして相手の話を理解して聞けるようになり、また自分の気持ちを言葉でうまく伝えられるようになって欲しいと願っておられました。

先入観はとても厄介な代物で、認知バイアスとも呼ばれます。
小学生までにこのバイアスを自分で壊さなければ、成長へのつまづきの原因となってしまいます。
そこで個別支援計画では、自分の気持ちを整理出来るようになること、先入観を持たずに相手の話をしっかり聞くことから取り組むことにしました。
コミュニケーションの上達を目指し、語彙を獲得して適切な言葉を使って相手に伝えるられるように、また集中して目の前の課題に取り組めるようになり、やがて苦手な学習の復習を頑張れるようになることも目指していきます。

机上の学習としてSSTプリント、日記による内観を促すこと、また学校の復習や理解のための教材として教科書ワークなどにも取り組みました。
苦手な教科や課題が提示されるとやはり抵抗を見せるお友達、それが離席につながることもありましたが、先生が注意を促すと、それには素直に応じることが出来ていたそうです。
先生はお友達に丸投げするようなことはせず、お友達に寄り添い、設問の意味を一緒に考え、一緒に解いたり、同じ問題でもクイズ形式にしてみたり、選択式にして答えやすくするように工夫しましたが、目指していたのは一点、お友達が「できた!」という達成感を得ることだったからです。

時折見せる乱暴な態度や、お友達同士の活動でも強い言葉を使ってしまうこともありました。
間違っていることを先生から指摘されても、自分で納得しないと先生の話を聞き入れることもできません。
そんなときは「どうすればいいかな?」と自分で考えてもらい、謝るべきだと自分で答えを導けるように促しましたが、すぐには自分の誤った態度を認められず「ごめんね」を素直に言えるまでに時間がかかっていたのだそうです。

それでもお友達はCOMPASSに通う度、何度もSSTを学び、苦手な科目も嫌々ながら頑張ってきました。
そして半年後、4年生になった頃になると、先生たちは優しい光景を目にすることになるのでした。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター天籟寺
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