水曜日のCOMPASSです。
COMPASS下到津に昨年春から通い始めた当時小学2年生のお友達。
運動で体を動かすのを嫌がる一方で、食事中でも学習中でも集中できず、すぐに離席してしまいます。
じっくりと課題に向き合うこと、答えを出すまで考え尽くすこともできません。
お友達同士での関わりが苦手でおもちゃの貸し借りもできず、遊びでも勝ち負けにこだわり、負けると機嫌が悪くなってしまうのだそうです。
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保護者様の願いは、COMPASSで学習の補完をしてほしい、そして総合的に心身ともに成長して欲しいということでした。
例えば、日付・曜日や時計、漢字の読み書き、大きい数の理解、繰り上がり・繰り下がりのある足し算・引き算、掛け算などなど、未完成な学習が理解できるようになり、声の大きさの調節を身につけることや、突発的な出来事への対応力、切り替え、そして心も成長してほしいと願っておられました。
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個別支援計画には、まず集団の中にいる自分を理解し、場面にあった行動ができるようになることをまずクリアすることを目指し、そのうえで基礎的な学習の定着を目標としました。
採用した課題は主にワークをはじめとした問題集で、特に文章題の読み解きが重要な事項とされました。
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お友達は「わからない」から勉強が大嫌い。
落ち着いて目の前の問題をしっかり読み取り、問われていることを理解するプロセスが欠けてしまうため、取り組めないでいます。
学習への拒否が大きく、苦手な問題になると、大きな声を出して苛立ちを見せていました。
プリントを出すと嫌々ながら一応やろうとはしてみますが、やはり集中力が続かず、「やりたくない」「難しい!」と言いながら拒否や離席という態度になってしまいます。
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そこで、まずは自分の力で小さな成功を体験できるようにアプローチすることにしました。
お友達が見通しをもって取り組めるように、事前に枚数を提示し「ここまで頑張ろう」という目標を決めたり、時計やタイマーを使用し、視覚的に見通しが持てるように工夫してみました。
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それでも問題の読み解きでつまづいてしまうと、もう嫌だと投げ出してしまいます。
しかしその一方で、自分でも「やらなくてはいけない」という認識もちゃんと芽生えてはいて、「やらなくちゃ」という気持ちと「嫌だ、やりたくない」という気持ちがプリントを前にしてまるで迷子になっているようです。
少しでも「頑張ろう」が見えたとき、1問でも答えが書けたとき、先生はその瞬間を見逃さず「すごいね、頑張っているね!」と賞賛し、次の問題に気持ちが向くように褒めていきました。
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学習課題が終わると余暇の時間が待っています。
COMPASSではこのお楽しみ時間には皆でゲームをしたり、おしゃべりしたり、思い思いに過ごしています。
当初のお友達は、この余暇の時間は周りのお友達と関わらず、大抵ひとりで本を読んで過ごしていました。
通い始めてしばらく経つと、顔見知りになったお友達も増えてきて、親しみを感じているお友達とミニブロックで遊ぶ姿が見られるようになりました。
しかし、貸し借りができずにトラブルになることもあったと言います。
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しばらくすると、他のお友達同士で「かくれんぼ」をしている中に「僕もやりたい」「入れて!」と話しかけ、皆で遊ぶ場面も見られるようになりました。
それまで積極的な関わりを避けていたお友達でしたが、遊びたい思いが強いと、「入れて」が通らないときでも、諦めることなくなんとか入れてもらおうと、言葉でやりとりをしようとする姿を見せ始めたと言います。
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その遊びが途中参加ができないゲームだったり、人数が足りていたりといった状況で、遊びに入れてもらえずにいる様子を見かけると、先生が間に入り、そのグループにお友達の気持ちを代弁してあげたり、会話の仲介をしながら本人の言葉を引き出し、気持ちを伝える手助けをしながら関わりの練習を積み重ねていきました。
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お友達同士の関わりは、いつだって試行錯誤の繰り返し。
そこに最初から正解はなく、お互いがお互いの気持ちを重んじながら最適な関わりを一緒に作り上げていくものです。
どう話せば伝わるのかという課題を学びながら、お互いが笑顔で楽しめるよう、お友達も少しずつ変化を受け入れていきました。
そして学習や人との関わりに少し変化が現れ始めたのは約半年が経った頃だと言います。
(後編へ続きます)
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