COMPASS香美 音を誘い、言葉を紡ぐ(2)

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS香美にお友達が通い始めた秋から4ヶ月、季節は冬になりました。
表情も固く、座れず、発語も見られなかったお友達がCOMPASSで寛いで過ごせるように、香美では「運動遊び」を取り入れました。
キャッチボール、トンネルなどの楽しい運動は、お友達の気持ちをほぐし、早い時期にCOMPASSに慣れる助けになりました。
しっかり運動をした後で着座し、目の前の課題に落ち着いて取り組む姿勢になったお友達です。

当時、まだお友達は手指をまだ上手に使えていませんでした。
そこで、スプーンやトングで掴む・運ぶといった練習も組み込みました。
この活動でお友達のお気に入りの一つはブタさんの顔が描かれたケースでした。
ブタさんの口が開いていて、フェルトボールが入ったケースからスプーンやトングを使って、運び入れるというプログラムです。
力の加減を考えながら、恐る恐るフェルトボールを掴み、ブタさんの口へ運ぶお友達。
上手に”食べさせてあげられた”とき、お友達が照れるほどの拍手喝采が待っています。

こうして来所のたびにさまざまな活動をこなしながら、並行して言葉の学習にも取り組みました。
なかなかすぐに成果は現れませんでしたが、絵カードを活用し、言葉を教え、口元をしっかり見ながら模倣して同じ口の形を作り、同じ音が出るように音を誘っていきました。
やがて最初の1音が出始めると、不明瞭さもありましたが、言葉の模倣に至るまで、力強い声が出せるようになっていったお友達です。

上手にフェルトを運べたとき、頑張ってみようと何とか声が出せたとき、ほんの小さなことでも先生は褒めてくれました。
たくさん頑張って、たくさん褒められて・・・、その経験が積み重なっていくうちに、いつの間にか硬く無表情な様子は消え、お友達は自信に満ちた笑顔を見せるようになってきました。

それに伴って、お友達は自発的な発言で少しずつ自分の気持ちを伝えられるようになっていったと言います。
「いこっか」「はやいはやい」「今日」「保育園」「遊んだ」といった一語文が始まりました。
送迎車でも「ゆうびんしゃ」「トラック」「バイク」と大好きな車の名前を言ったり、ナンバープレートの数字やひらがなも読めるようになっていきました。

少しずつ周りのお友達とも活動ができるようになり、唱和するパタカラ体操では、個別指導のときだけでなく、集団活動の皆の前でもしっかりと大きな声で言えるようになっていき、今では二語文、三語文での簡単な会話もできるようになってきました。
この成長を保護者様もコミュニケーションができるようになったと大変喜んでいただいています。
お友達はCOMPASSが大好きになり、保育園にお迎えにいくと「キャー🎵」と喜んで歓迎してくれているのだそうです。

これからはお友達の世界を広げるお手伝いにも取り組み、お友達同士の関わりが増えるように導いていきます。
自分の思いをいろいろな方法で周りの人に伝えられるようになることを目指し、会話や遊びを楽しめるようにさらに語彙力を上げ、会話の上達を目指し、いろいろな活動を楽しく継続していきます。

COMPASS.香美
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