COMPASS丸亀Believe ”お兄ちゃん”らしく（１） | COMPASS（コンパス）発達支援センター

COMPASS丸亀Believe　”お兄ちゃん”らしく（１）

2023年11月25日

土曜日のCOMPASSです。
COMPASS丸亀Believeに通うお友達は、系列のCOMPASSに通っていましたが、一昨年の夏Believeのオープンと共に移ってきました。
当時小学校２年生、元気よく挨拶できるお友達は、とてもおしゃべりで活発な男の子です。
人見知りもなく、先生にも「今日学校で〇〇したよ！」とか「今、〇〇のゲームが好きで…」と話しかけたり、新しいCOMPASSで顔馴染みになったお友達にも「〇〇しよう」と誘ったりととても社交的。

おしゃべりは勢いよく多弁ですが、実のところ一番言いたいことが何かが伝わりづらく、自分の話に夢中になって声が大きくなり過ぎてしまうところもありました。
また自分の思いを優先するあまり相手の状況や立場を考えられず、話が一方的で伝わりません。
親密に関わろうする反面、特に仲の良い相手にグイグイ近づき過ぎるアンバランスなところもありました。
また、１：１での話はよく聞いていて理解できている反面、先生が全体に向かって話す指示の理解に難しいところがありました。

学習は学年相応の内容を進められており、文章を音読したり、漢字を覚えたり、四則計算もすらすらできたりと、理解度に問題はないようです。
ただし音読はできても文章の内容を理解しきれていなかったり、問題を早く解き終えようとするあまり、ミスを誘発することもありました。
また、「〇〇がしたい！」「〇〇でないとダメだ！」といったこだわりを持つと、もう他のことが頭から外れ、一切進められなくなり、先生が提案する代替案では納得できませんでした。

保護者様の願いは「人との距離を考えて関われるようになること。」「話し方でも語彙を増やし、豊かな表現力を身につけること。」「一方的な会話ではなく、相手の状況や気持ちを考えた発言ができるようになること。」「そして自分の行動を考え、危険認識を身につけ、落ち着いて過ごしてほしい。」ということでした。
これらの願いを受け止めて、COMPASSの個別支援計画は、まず言葉から取り組むことが設定されます。
語彙力や表現力の向上などで会話を豊かに導き、また学習に集中して取り組めるように促し、やがてお友達との適度な距離感を保ち、楽しく、安全に過ごすことができるように導いていきます。
言葉や関わり方が身に付いてきてからは、協調性、社会性を身に付けて考えて対応できるように促し、さらに言葉の表現力を高め、円滑なコミュニケーションが取れるように促していきます。

お友達との活動はメリハリを持たせることを心がけました。
１対１での個別での活動は、じっくりと向き合い、丁寧に話を聞きながら落ち着いて読み書きに取り組めるように努め、小集団での活動では、活動そのものよりも「順番を待つ」「相手に合わせる」など、人と協働することの意味を知り、相手への尊重を意識できるように促しました。
お友達は文章の音読は大得意！
そこでまず、得意な音読で気持ちをノリノリにして、内容の理解や登場人物の心情理解を先生との１：１の対話の過程で深く理解する練習も行いました。

先生の問いかけにお友達が答える際には、まずはじっくり聞いてみます。
そのうえでお友達が話したい気持ちを尊重しつつ、「それはいつ？」「どんなふうに？」「他に何をしたの？」「どう思ったの？」と５W１Hや観点を定めた質問をして、それに対し、言葉をつなげて詳しく伝えられるように根気よく促しを続けました。
一方少人数で活動する際には「先生」「お友達」「一緒に活動する別のお友達」の三者間での会話の機会を作り、「自分の思いを伝えること」＋「相手の話もよく聞くこと」を同等に扱うことを実践で経験できるように促し続けました。

「一人でできる」と自信のある活動に水をさすことがないよう、基本的にはまず見守り、必要な場合に適切に支援を行うように心がけました。
お友達の様子から、挫けそうなときには、プリント学習もその他の活動も、最後までやり遂げられるように先生は助言や手助けをしながら完成まで導いたといます。

学習に取り組んでいる最中、お友達にやりたいことがあったり、仲の良いお友達が先に学習を終わらせて遊び始めたときなどには「もう時間がなくなってしまう！！」と焦り、目の前の学習課題に集中できなくなることも度々ありました。
そうなると本来ならできることも焦りでミスを連発し、余計に時間がかかり、更に焦って傍目にもイライラが爆発しそうです。