土曜日のCOMPASSです。
COMPASSセンター大村に昨年秋から通い始めたお友達は、現在5歳の年中さんです。
通い始めた頃はとにかく落ち着きがなく、常に室内を走り回り、高い所に登ったり、そこから飛び降りたりと衝動的な行動が多く見られました。
また偏食傾向が強く、感覚や音、臭いに過剰に過敏なところもありました。
また時折、唾吐きもあったお友達ですが、発語もなく、なかなかコミュニケーションが取れず、意思疎通ができませんでした。
保護者様は、お友達が落ち着いて生活できるようになって欲しいと希望を語っておられました。
少しずつでできることが増え、単語だけでも言葉で自分の気持ちを表現できるようになって欲しい、人に関心を持って、コミュニケーション能力を高めてほしいと希望しておられました。
また激しく衝動的な行動が多いことも気にしておられ、少しずつ周りを見て、落ち着いて行動ができるようになって欲しいと成長への願いを話しておられました。
個別支援計画は、まずCOMPASSに通うことに慣れてくれることから取り組みます。
そして日常生活動作が上達し、言葉によらなくても自分の気持ちを言葉で伝え、コミュニケーションができるようになることを目指していきます。
そしてCOMPASSでお友達のために準備した課題は、まずは「着座訓練」です。
そして「感触あそび」「ふれあいあそび」「積み木」「指先訓練(洗濯ばさみ)」「点描き」「運筆訓練」「絵本」「挨拶練習」「生活機能訓練」「運動遊び」などのトレーニングを行います。
COMPASSでは幼く、まだ座って何かをする経験のないお友達にも、まずは座ることから学びます。
思考に慣れている大人と違って、まだ考えることに不慣れなお友達は、立ったままでは感じたまま動くか、慣れた動作をすることだけしかできません。
正しい着座姿勢をとることで、初めて目の前の課題に意識が向きます。
そして意識したものを観察し、手で触れてみて、あるいは匂いを感じて、先生の行う手本を見て、それを確認すると、新しい知識の道が脳内を走っていきます。
そしてお友達が自分自身でやってみて、初めて「できた!」につながっていきます。
だからこそ着座はとても大切なステップなのです。
しかし着座して何かをやる経験がないお友達は、座れてもすぐに離席してしまいます。
そこで少しでも着座を体得して欲しいと、お友達が興味があるものを見せて、自分から着座するように促しを繰り返しました。
時折見せる「唾を吐く」という行為も無くなって欲しい習慣の一つです。
言葉で気持ちが伝えられないお友達、また唾を吐くことは「汚い」「お行儀が悪い」という意識がまだ身についておらず、幼さからの行動であり、保護者様や大人達から注目して欲しかったり、それをやると周りの人たちが困ることを知っていて、遊びの一環となってしまっていることもあると考えられます。
COMPASSではお友達が自分で気づいてくれることを期待しながら、あえて構わずに無視をしお友達自身に拭き取りをさせるなど、さまざまな方法を試していきました。
言葉による指示が伝わらず、例えば段差があるとすぐに飛び乗ってジャンプしようとしたり、唾を吐くお友達でしたので、先生たち全員で気にかけ、見守り体制をしっかり取れるように心がけました。
お昼にはお弁当を自分で食べる練習をするのですが、偏食が激しく、例えばご飯にふりかけだけ、またおかずで食べるのは卵焼きとからあげだけ、納豆ごはんとかブロッコリー、コンフレーク、バナナなどは好んで食べますが、手をうけないおかずもありました。
登園し出してからは、野菜の入った汁物は食べられるようになってきたものの、園のおやつは手作りであるためか、口にできるのは牛乳のみの時もまだあるのだとか。
集団活動には何度も参加できるようにうながしを続けていますが、なかなか楽しんで参加することはできませんでした。
同じ場所をぐるぐる回るかのような、はっきり成長に向かっている実感をつかめない試行錯誤は続きます。
しかし、お友達が年中さんに進級した春になると、思い通りにならないときや帰りたいときなどに、お友達はこれまでみたことのなかった声を出して怒る表現を見せるようになり、一つのステップを上がったと考えられました。
(後編へ続きます)
COMPASS児童発達支援センター大村
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