金曜日のCOMPASSです。
COMPASS宿毛にお友達が通い始めたのは、今から半年前の6月の終わりでした。
年長さんのお友達には言葉の困りごとがありました。
言葉の理解がゆっくりで、何か聞かれてもオウム返しが多かったそうです。
それでも会話であれば、ちょうどこの時期には、ゆっくりであれば、易しい言葉での言葉のキャッチボールも出来始めたところだったそうです。
来春には就学を控えているお友達、ひらがな50音を読むことはできるが書くことができませんでした。
数の理解も10までは言えるそうですが、数字と数位の理解がつながっていないのだそうです。
保護者様はお友達の言葉の困りごとの解消を強く願われ「言葉が伸びてほしい。自分の伝えたいことを上手に伝えることができるようになってほしい。」と話しておられました。
小学校への就学準備として文字や数の習得も大切な履修項目であることから、上達を願っておられました。
そこで個別支援計画では、まず会話と並行して文字としての言葉に触れる機会を作り、ひらがなの読み書きが安定してできるようになることを目指し、語彙の獲得、文字への興味を促すために、みつば教材、月例プリント、ひらがなのおけいこ、絵本読み聞かせ・音読に取り組みます。
言葉をマスターして会話に繋げるにはどのお友達でも時間がかかる行程です。
そこで、触れ合う機会もたくさん作り、お友達とのコミュケーションで会話を楽しみ、一緒に遊びながらスムーズな会話へ向かうことをゴールとして設定しました。
数の認知の向上では、まずは「あわせていくつ?」ができるようになることを目指していきます。
着座姿勢の美しさを保つためにも、機能訓練面では姿勢保持やバランス能力向上、人との距離感が保てるように働きかけます。
立腰姿勢はとても大事な基本です。
お友達は療育時、着座姿勢が少し崩れてしまう場面が見られました。
このため、機能訓練や声かけで正しい姿勢で座れるように、日々取り組んでいきました。
お友達の頭の隅に正しい姿勢のイメージを作れるようになると、次第に姿勢良くお勉強に向き合えるようになってきたのだそうです。
もちろん姿勢の改善で集中力も増してきています。
文字を書くのも、実は正しい筆記具の持ち方ができているかどうか、これがとても重要です。
お友達の場合、ペンシル・グリップの握りが不安定で、筆圧がかからない状態でした。
そこで、指先の運動を機能訓練に取り入れ筆圧の安定を図り、また、線なぞりなど楽しく取り組める巧緻性の訓練に取り組みました。
これらの機能訓練と並行して「ひらがなのおけいこ」などで、書き方や、筆運びなどの技巧上達に取り組んでいます。
こうしてお友達は10日ほどCOMPASSに通い、その度に繰り返し、繰り返し、何度も、何度でも語彙の習得、発声、書くことの技能向上、意識づけ、習慣づけに取り組む日々を送っています。
COMPASSでは、ほとんどの場合、来所して個別で学習活動に取り組み、終わると次の集団活動に移るのですが、それを待つ間には、ちょっと休憩時間があります。
その余暇時間にお友達は皆、絵本を読んだり、寝転んだり、ゲームなどで遊んだり、おしゃべりに花を咲かせたりと、思い思いに楽しく過ごしています。
宿毛の共有ペースは、そんな短い余暇時間を満喫するお友達でいつも賑やかですが、この年長さんのお友達はちょっと様子が違います。
余暇の時間はお友達同士自主的に交流し、会話を楽しむ機会でもありますが、どうやらお友達は、周りのお友達に混じって一緒に遊ぶ様子もなく、ほとんどひとりで過ごしているようでした。
お友達の自主性に任せていては機会を喪失してしまうことを懸念した先生は、お友達同士の間を取りもち、仲介する形で一緒に遊べるように導くことで、交流機会を活かせれば…、と促していきました。
やがて、秋の盛りの頃になると、取り組んできた全ての活動が一つの成果を見せ始めます。
(後編へ続きます)
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