COMPASS大野城 積み上がる成長の足跡(1)

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS大野城に6年前から通っているのは、今春小学校6年生に進学予定のお友達です。
2021年のブログでもご紹介しているお友達ですが、当初は会話が成立するための語彙力が不足していました。
当初から発語はありましたが、それも不明瞭で、お友達の会話のほとんどはジェスチャーで想いを伝えるだけでした。
そして人見知りということもあり、人とは距離をとる様子が見られました。

COMPASSでは、半年ごとに保護者様のご要望に沿った個別支援計画を立案しますが、その願いはいつも言葉が明瞭になり、まわりの人とたくさんやり取りしてほしいという強い想いでした。
個別支援計画の短期的な目標は、語彙数を増やし、言語訓練を通して表出言語を明確にしていくこと。
そして長期的な目標は、集団活動を通じてコミュニケーション力を高め、人との距離感を掴める様になることと定めました。

主に活用した課題は、口舌トレーニング・絵カード・みつば日記・かずのおけいこなどといった語彙を増やすことや、言葉の明瞭化を図る活動、そして会話の文章力の向上を目指すものでした。
個別指導の学習活動では、先生の指示に素直に従って着座し、課題に集中して取り組む様子を見せていたお友達です。
ただ、聞きたいことや言いたいことがあっても、発音の輪郭が不明瞭で、すんなり伝えられず、わかってくれそうな人を選んでいるのか、お友達は話す相手を選んでしまう傾向も見られました。

 

発語練習では口の形を意識しやすいように、言葉の初めに同じ母音の付く絵カードを複数用意して、そのカードを見せながらおこなわれました。
また、言葉の終わりにも同じ母音の付く絵カードを用意し、言い切った後に口の形が正しく行われているかを確認しながら繰り返し行われました。
とても根気のいる課題でしたが、次第にお友達自身も苦手な音を認識するようになり、改善しようと意欲的に取り組む様子を見せる様になっていきました。

時計と時間の認知もお友達の苦手な分野でした。
時刻の理解については、時計の文字盤のみでは分かりにくい様でした。
そこで、実際に自分の手を使って机の上に数字カードを時計の文字盤の形に並べることから始め、時間を手で探っていきました。

集団活動では、尻込みする様子が見られたので、お友達の大好きなゲームといったお友達の守備範囲の活動から始めました。
得意分野の一つ「ビー玉キャッチ」をするときに、他のお友達も誘うと、ゲームが盛り上がりを見せるにつれ、室内は笑顔や笑い声に溢れていきました。

ゲームが楽しかったことも一つの成功体験。
やがて、お友達は積極的に周りのお友達に一緒に遊ぼうとアプローチするようになっていきました。
当初はお集まりや体操を少し離れた所から見ていたお友達も、小学校3年に上がった頃からは、遊びだけでなく、集団療育に抵抗なく参加できるようになっていきました。
(後編へ続きます)

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