COMPASSしまんと 滑らかさを目指して(1)

月曜日のCOMPASSです。
COMPASSしまんとにお友達が通い始めたのは、6年前のちょうど今頃、お友達が小学校1年生になる少し前でした。
その頃のお友達は、言葉が出ず、意思の疎通がとても難しかったそうです。
また着座もできず、何でも口に入れてしまいます。
口に含んだ飲み物も吹き飛ばすような困った行動も見られました。

保護者様はまず「意思疎通ができるようになってほしい。」と願っておられました。
お友達が座ることに慣れ、感情のコントロールができるようになって欲しいと望んでおられました。
また、活動の中で何か得意分野を見つけてほしいと希望を語られていました。

個別支援計画は、まず、準備や片付けなどの日常で必要な動作を自分で行えるようになることを目指し、他者とのやり取りを増やし、場面に合う言葉を使い、実践できるようになることを目指します。
課題ごとの目標として、言語では正しく読み書きができるようになること、数量の理解では10までのたし算をスムーズにできるようになること。

社会性の学びは、小集団活動で、言葉の発信や挨拶の仕方を実践的に覚えて、生活動作に活かすことを目標とました。

お友達は筆圧が弱く、手首に硬さがあり、ぎこちなさを残していました。
そこでこの手首や腕、指先の動きのために機能療育訓練で楽しく手首の訓練を行いました。
手首を縦や横に動かす方法を知って、肩だけで動かしていた状態から、スムーズに手首や指先だけを動かせるように、うちわを使った遊び、服のあちこちに洗濯バサミをつけ、それを取る遊びなども取り入れました。
先生のお手本を見ながら真似をして、滑らかな動きを目指し、継続した訓練を継続しました。
こうして体を動かすことで、ボディイメージを身に付けながら、上手に服の着脱などもできるように練習を積み重ねました。

 

機能訓練は、集団でのゲームや楽しい活動でも行われました。
全体指示では、お友達は理解に少し戸惑うこともあったため、指示は個別で出するように心がけました。
皆と同じ指示で、皆と同じ動きをする、この動作の協調はお友達には新鮮な活動だったようです。
同じように日常動作では、他の人が一緒にしてくれるまで待つことも学び、皆同じやり方を伝え、出来たときには先生は大いに褒めてくれました。

正しい発音を目指し、あいうべ体操、パタカラ体操などのお口の体操も継続して行われました。
お友達の利用は週に2回程度でしたが、それでも継続した活動は、気づかないうちに少しずつお友達の中に浸透していきました。
こうしてたくさんの経験をしてきたお友達に成長の兆しが顕れ始めたのは、1年ほど経った頃からでした。
(後編へ続きます)

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