COMPASS丸亀Believe お友達の輪の中へ(1)

金曜日のCOMPASSです。
小学生になったお友達は、丸亀Believeがオープンした3年前の7月、系列のCOMPASSから移ってきました。
以前の事業所で聞いていたお困りごとは、周囲の人に合わせにくいなどの行動面や集団活動での課題が見られていたのだそうです。
そのときに「やりたいこと」を自分の思うままにやりたいという気持ちが強く、事前に「〇〇の後でやろう」「〇〇さんが使い終わってからにしよう」という約束があったにもかかわらず、聞き入れない様子が見られました。
思い通りにいかず、イライラしたときには感情が昂って、うまく表現したり、助けを求めたりができず、大きな声で叫んだり、怒ってしまう様子も見られていました。

保護者様は「学級での全体指示や授業中の先生の話などをよく聞き取って、行動できるようになってほしい。」と願っておられました。
また「集団活動に参加できるようにもなり、相手のことを考えて、友達と楽しくコミュニケーションをして関係性を築いてほしい。」とも望まれていました。
そして、学習面で大きな遅れは見られませんが、文字の読み書きや数の概念・計算を練習してほしいとおっしゃっていました。

 

Believeで確認したところ、小学校ではあまり集中力は続かないようですが、好きなこと・得意なことは夢中になって取り組めていました。
ただ、テンションが上がると声が大きくなることがあり、先生の指示が入っていかないようでした。
離席はありませんが、隣の席の同級生が気になる様子を見せたり、授業中手遊びが見られたり、姿勢が崩れる様子が見られました。

立案した個別支援計画の短期目標は短期では「集中して学習に取り組むこと。できた・分かったという成功体験を感じられる機会を作ること。」
そして、ルールや勝ち負けを経験しながら、友達との関わりを楽しめるようになることです。
長期的な目標は「相手や周りの状況を見ながら、落ち着いて学習や活動ができること。自分が感じたことや困ったことなどを言葉で伝えることができるようになること」と定めました。

 

お友達の利用開始は7月、すぐに夏休みを迎えました。
新しい事業所の利用だということ、そして初めての夏休みということもあり、当初は少し情緒の乱れなども見受けられました。
それでも玄関に着くと、いつも元気よく挨拶してくれて、にこにこの笑顔です。
「楽しい」「やりたい」など自分の思いを素直に表現できていました。

利用開始の1年生の7月の時点では、ひらがなは読めますが、音読ではゆっくり文字を追うような状況でした。
特にひらがなのうち、拗音はまだ慣れず読みにくい文字もありました。
それでもお友達は絵本が大好きで、利用開始時には絵本を自分で読むことは少し難しかったようですが、読み聞かせなどには喜んで取り組めていました。
この絵本が好きであることを活用して、文字の習得・音読の練習とともに、話を最後まで聞くことやお友達と一緒に何かをする活動(絵探し・内容についてのやりとりなど)にも絵本を取り入れました。

お友達は誰かとペースを合わせることが苦手で、そのうえ負けることも苦手だという課題がありました。
同じ小学校かのお友達が他にもいたため、できるだけ少人数での療育をくり返し行うように心がけました。
初めのうちは、同じ課題をすると変に競争意識が現れ、ひとりで焦ったり、怒ったりしていたお友達ですが、時が経つと次第に「一緒にしよう!」という言葉も聞こえてくるように変わっていきました。
今では過ぎた競争意識はほとんど見られなくなりましたが、さらに相手のペースを考えたり、全体に合わせるという協調性を養うことを目的として少人数の活動を継続しています。

余暇の時間にはおもちゃのトラブルも盛られました。
遊びたいおもちゃがあると、独占しようとして、使いたい他のお友達とトラブルになることもありました。
先生はその都度「COMPASSにあるものはみんなで使うものである。自分が使いたい=みんなも使いたいと思っている。」ということをくり返し声かけしていきました。
また、お友達との関わりで「貸して」「いいよ」「一緒にしよう」という会話や、「今、お友達が使っているから、終わったら貸してもらおう!」と切り替える提案を繰り返し伝え続けました。
こうした取り組みの成果で、今も好きなおもちゃで夢中になって遊んでいますが、それほど独占という感じは見られなくなりました。

夢中になる遊びだけでなく、一生懸命取り組んでいる工作なども切り替えられないという課題もありました。
好きなことに夢中になると、他のことに切り替えられず、取り掛かるまでに時間がかかることが度々ありました。
それが遊びの場合は、先生も一緒に遊んで楽しさを共有したうえで、ある程度気が済んだと思われるところで切り替えや手放すことを促していきました。
タイマーや砂時計などの視覚的な支援も効果的で「この時間が来るまでにできるかな?」と、ややゲーム的な取り組みのスタイルだと、切り替えができることもあったのだとか。

 

周りで楽しそうなことをしていたり、先に学習が終わったお友達が遊び始めたりする姿を見てしまうと、気になって手が止まってしまうお友達。
始める前に活動の内容や時間を提示して、「ここまでやれば終わり」だと知らせるように工夫してみます。
また、声かけだけで活動に戻れる場合もあるので、適宜な声掛けを繰り返し、自分自身で気付くように心がけたりもしました。
好奇心旺盛なお友達です。
集中が続かないという課題には、お友達の様子や周りの状況に合わせて、比較的短時間・簡単な課題や、反対にじっくり時間をかけて一つのことに取り組む活動も取り入れるように努め、現在も集中力の向上を目指しています。

学習では好き・嫌い、得意・不得意によって、はっきりと取り組み方や意欲に差がありました。
できる限り、お友達がやってみようと思える内容や教科・興味のある話題・ややレベルの簡単なものから始めるように心がけました。
お友達が嫌だという内容でも、「じゃあ、ここまではやってみよう」と量を限定したり、少しでもできたときに精一杯褒めることで取り組めることもあったそうです。
成長への方向を定めながら進める活動ですが、それはどの事業所でも、どのお友達でも、定型のコースもパターンもないので、先生たちは試行錯誤の繰り返しです。
そして継続の結果、ふっと変化が見られ、成長へとつながっていきます。
お友達の場合は、二学期が始まった頃に最初の兆しが見られ始めました。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター丸亀Believe
所在地:〒763-0082 香川県丸亀市土器町東8-260
T E L :0877-43-7338

(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)
Copyright(c)2018@compass328 T.0. All Rights Reserved.

初めての方へ

COMPASSの療育手法
ご利用者の声
COMPASS施設一覧