COMPASS宿毛 言葉が上達するために(1)

月曜日のCOMPASSです。
COMPASS宿毛に、この春から通い始めたのは、年長さんになったばかりのお友達。
お友達の困りごとは「言葉」全般でした。
お友達の会話は、話そうとしても残念ながらその発語はかなり不明瞭。
理解できている語彙、使える言葉も少なく、コミュニケーションは難しかったのだそうです。
会話の困りごとだけでなく、ひらがなを読めておらず、書くために鉛筆を正しく持てませんでした。

保護者様は「滑舌が良くなり、上手にコミュニケーションが取れるようになってほしい。」、また「来春には就学も控えているため、読み書きができるようになってもらいたい。」と、心からお友達の成長への願いを語られていました。
宿毛で作成した個別支援計画では、まず初めにお友達がCOMPASSの利用に慣れ、楽しく通ってくることができるようになることから目指します。
やがて来所することに慣れ、先生たちとも馴染んできた頃からは、会話を練習で言葉で自分の気持ちを伝られるように不明瞭さを改善し、応酬話法が上達するように導いていきます。

こうして通い始めたお友達とのCOMPASSです。
指示に従って着座するお友達の姿勢はとても綺麗で、離席することもなく活動に取り組めていました。
個別指導では、さまざまな言葉に触れ、言葉への興味・関心を促すことから始めました。
例えば絵カードや絵本を活用し、カードでは言葉の正しい発音を聞かせ、絵本ではどんな意味があるのか伝えながら活動を進めます。
こうして先生と楽しくひらがなに触れ、語彙の獲得と正しい発音の習得を繰り返していきました。

また、COMPASSには毎日たくさんのお友達が来ているので、年頃が近いお友達と並んで学習する機会を作り、余暇の時間にもお友達同士で親しく交流できるように促していきました。
会話は相手がいないと成立せず、上達への第1歩は相手に関心を持ち、伝えたいと思う気持ちがあってこそだからです。

ところが当初はお友達自身が会話が得意ではないとわかっていたためか、積極的に自分から関わりを求めることはなく、皆が楽しそうにしている輪の中に入れず、距離を取りがちでした。
遊びの輪の中に入れるようにと、先生は余暇の時間にお友達同士の仲介役を試みました。

先生は周りのお友達がお友達の存在を受け入れ、抵抗なく遊べるようにと、聞き取りづらい言葉があれば説明し、充分に気持ちが伝えられていないときはお友達の気持ちを代弁するなど、円滑な交流ができるように配慮を欠かしませんでした。
また相手の言っている意味を理解することができるように、聞く姿勢・言葉の意味の理解を実践の中でサポートしていきました。

さて、次の段階ではいよいよひらがなを書くという課題に取り組んでいきます。
鉛筆を持つときには、親指と人差し指で軽くつまむように持ち、中指を添え、小指と薬指は軽く握って机に触れているという形が一般的です。
このとき、小指と薬指は手の動き全体が安定するように働いています。
また、親指、人指し指、中指は文字を書くための細かい動き(=巧緻動作)を行うための働きをしています。

大人は何気なく「書く」という動作をしていますが、実は書くためには手の中だけでも5つの指が異なる働きをする必要があり、子どもの場合はほとんどが大きな文字を書くため手首まで使っていますので、実に難易度が高い運動をしているのがよくわかります。
お友達の場合はこれらの動作に慣れておらず、ぎこちない動きで書こうとしていました。

難易度が高い動作であることに加え、手や指の筋力だけで調整できず肩で動かそうとするため、また手指の力も弱く、細かな動きは難しいようでした。
そこで、巧緻性の訓練として洗濯バサミの止めはずしや紐通しなど、楽しい訓練で巧緻性の向上を目指すことにしました。

COMPASSに通い始め、聞く・話す・読む・書くといった活動は、週に5日行われました。
やはり継続して毎日訓練できる状況は、習慣化と定着を目指すために最高の環境だったと言えます。
こうして聞き取りづらかったお友達の発生が改善し始めたのは、利用開始から2ヶ月後の6月という早い段階からでした。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター宿毛
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