月曜日のCOMPASSです。
COMPASS鍋島に通うお友達は、今、3歳の夏を迎えています。
初めてCOMPASSに通い始めた頃は、落ち着かず、笑顔がなく、目が合わなかったお友達、こんにちはと挨拶をしても反応もありませんでした。
着座を促しても座れず、離席して室内を動き回っていたそうです。
こちらから話すことは意味がわかっておらず、お友達も喃語をしゃべり続けていましたが意味を汲み取れませんでした。
保護者様は言葉での意思疎通が難しいお友達が、自分の気持ちが伝えられるようになり、言葉でのコミュニケーションが取れるようになって欲しいと願っておられました。
言葉をかけるだけで危険行動が回避できるようになり、目を見て挨拶や返事ができるようになって欲しいと話されます。
そして、トイレで排泄出来るようになってほしいともおっしゃっていたそうです。
鍋島で立案した個別支援計画は、まずお友達がCOMPASSに馴染んでお友達や先生たちと楽しく過ごせるようになることからでした。
少しずつ問いかけに返事ができるようになり、挨拶ができるようになり、やがて自分の気持ちを言葉で伝えられるようになること、また、トイレでの排泄ができることを目指しました。
実はお友達は落ちているゴミなどを口に入れることがよく見られ、保育園でも園庭の石を食べようとしたりするなどの異食が見られていたそうです。
言葉の理解が出来ていないために注意しても危険な行為だとは気付かず、危険に対する認知が持てないため、常に付き添って見守る必要がありました。
さて、お友達の言葉、認知の向上、そして日常生活動作の3要素の課題に向けた取り組みが始まります。
まずは言葉の獲得に向けて、絵カードやコミュニケーション、絵本や紙芝居の読み聞かせ、プリントでは「A-1」という最もやさしいレベルからスタートを切りました。
学習前後の挨拶や返事、そして簡単な自分の気持ちの表し方で意思表示を、また簡単なパズル、シール貼り、紐通しなどで巧緻性の向上を目指していきます。
排泄の習慣は時間を決めて声かけしながらお友達自身で排泄ができるように導き、必要なズボンの着脱などの支援も行いました。
実際は活動メニューよりも、着座をマスターすることが最初の課題だったそうです。
活動を始めようという促しに応じて着座をしてみるものの、すぐに離席を何度も繰り返してしまいします。
先生はその都度席に戻るように迎えに立ちますが、日によって全く着座しようとしないこともありました。
口頭だけでの指示では座りそうもないときは、お友達が好きなもので誘うように促してみました。
中でもスライムは特に手に触れるあの感触がお気に入りのようで、よく活用したそうです。
ただ、先生たちは決してお友達のご機嫌で活動の流れを変えることはしませんでした。
「まず1番目にやることはお勉強」、「終わったら好きなもので遊べる」という流れを守り、スライムはお勉強が終わったら遊べる強化子として取り組みを続けていくと、着座時間もかなり伸ばしていけたそうですが、完全な定着にはかなり時間がかかりました。
週に3日ほど通ってくるお友達、カードの模倣などを繰り返し、やがて言葉が少しずつ出るようになっていきます。
それでも不明瞭さが感じられるため、発音の明瞭化に繋げるために新しい課題として「あいうべ体操」や「舌の体操」「テッシュ吹き」などといった動きの活動も取り入れていきました。
当初は自分の思い通りにならないときは、泣き出し、ひっくり返ったりと癇癪を見せることもあったそうですが、その都度落ち着くまで待ち、活動に戻ることで次第に癇癪は収まっていったそうです。
トイレは定着がゴールですので、週3回のCOMPASSでの活動だけでなく、毎日ご家庭でも取り組みに協力していただきました。
保護者様との連携を図り、トイレで排泄できたときにはお友達が楽しみにしている「ご褒美メダル」がもらえるという流れを作り、習慣化を目指しました。
色の識別などにも取り組みましたが、こちらは教材や馴染みやすい歌を通して定着を測っていきました。
COMPASSでの活動は、お友達の日常を変えるというかなり大きな課題への挑戦です。
日毎にできていたり、できていたものができなかったり、元に戻ったり、そしてまたびっくりする成長が見られたりという日々が続き、1年半が過ぎた頃にはようやく成長の兆しが見られるようになってきました。
(後編へ続きます)
COMPASS発達支援センター鍋島
所在地:〒849-0937
佐賀県佐賀市鍋島5丁目3-6
連絡先:0952-37-5938
(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)
Copyright(c)2018@compass328 T.0. All Rights Reserved.