COMPASS.Jr 柔軟な心で、柔軟な身体で(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS.Jrのお友達が通い始めたのは、小学1年生の春でした。
1年生になったばかりのお友達は、語彙が少なく、言葉の不明瞭さも目立ったと言います。
お友達にはこだわりが強い傾向があり、自分の考え以外を受け入れられず、加えて言葉での意思疎通が難しいということも手伝って、周りのお友達との交流は少なかったそうです。

最初のご相談で、保護者様はまず「言葉の成長」を願っておられました。
指示を理解して、スムーズに行動に移せるようになり、また周りとの楽しい交流を通して、たくさんの学びを得てほしいと話しておられました。
いずれCOMPASSで将来の自立に向けて、生活に関わる力を身につけて欲しい、学習面でのフォローを受けながら「自分でできる力」を伸ばし、自信をつけてほしいと願っておられました。

お友達の個別支援計画では、COMPASSで取り組む学習活動で「できた!」という経験、また周りのお友達との交流で「楽しかった!」という経験をたくさん積み重ね、お友達の達成感から自信となるように導くという目標を立てました。
次の段階で、言葉の学習に力を入れて、自分の気持ちが相手に伝わるように言葉を磨き、会話では心地よく穏やかな気持ちで周りのお友達と関わり合えることを目指していきます。

1年生のお友達との活動が始まります。
いつものルーティンを経て、着座を促しますが、お友達は着座姿勢が維持できません。
先生は姿勢の乱れを正すよう声かけをし続けますが、一旦姿勢は戻っても、その間は目の前の課題への集中が欠けてしまうようです。
そこでお友達とは体幹を柔軟にして、静かに集中できるようにと、運動遊びのカリキュラムから「ストレッチ」を選択し、取り組みを行いました。
また、座布のようにタオル等を用いた姿勢補助にも取り組みました。

あまり人と親しく接することが苦手だったお友達だったので、COMPASSではこの運動療育や少人数制のゲームで人との関わりの機会を増やしていきました。
イタズラ心が頭をもたげ、周りにちょっかいを出すこともあったそうですが、不適切な接し方には声掛けをし、その都度どうすれば良いかを教えていきました。

最初は乗り気でなかったものの、繰り返しの関わりを学ぶ場の機会を集団活動として提供していく過程で、お友達のやり取りのトラブルでの学びや対応を都度経験していったお友達。
少しずつ皆と関わることに慣れていき、先生はやり取りを見守りをながらトラブルが発生したときだけ関わるように努めました。

関わりの学びは座学の個別指導でも行われました。
SSTカードを用いて、その場面ごとにどう対応したらよいかを考える学習にも取り組みます。
個別指導では、将来の進学・就労に向けた漢字や言葉の学び、そして計算する力の定着のために学校の流れに沿った学習に準拠した取り組みを行いました。
語彙を増やし、言葉の表現の幅を広げるため、聞き取りやすい話し方を目指して音読にも取り組みました。

「継続は力なり」と言いますが、目の前にいるお友達のさらにずっと向こう側を目指して、これらの課題にしっかりと取り組んでいきました。
そして、「継続は力なり」を確信できるようになったのは、実に4年生から5年生にかけてのお友達の変化でした。
(後編へ続きます)

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