COMPASS樟葉 日常を、人生を変えるほどの…(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS樟葉の小学校2年生のお友達。
通い始めたのは5年前、夏の終わりから秋に移り変わる頃でした。
寒くなってもお友達は半袖で過ごしていました。
真冬になっても上着も嫌がり、年間を通して半袖しか着ようとしなかったそうです。

そんな自分だけのお友達の世界には、譲れない強いこだわりやルールがありました。
違うよなどと誰かから指摘をされると、怒り出してしまいます。
その割には周りのお友達との関わりで距離が近すぎる傾向があり、さらにトラブルが起きても謝ることもできませんでした。
学習でも着座ができず、全く集中できませんでした。
保護者様は、まずは気持ちのコントロールができるようになり、お友達同士でも適切に関われるようになって欲しいと語られます。
困ったことがあったときにも、助けてほしいという気持ちを素直に言えるようになり、思い通りにいかないときに見せる怒りの衝動性が軽減されていくようにと、そして就学するときには、新しい環境に慣れ、楽しく学校に通って欲しいとおっしゃっていました。

個別支援計画は保護者様の願いに寄り添うように立案されました。
まずは新しい環境に慣れ、嫌がらずに保育園や学校に楽しく通うことを目標としました。
お友達が苦手なことにも挑戦しようとするようになり、自信を持つことで違う視点で周りを見る力が備わるように、また自分の得意なことを知り、自己肯定感を高めながら情緒の安定を図ることを目指します。
困ったことや手助けがほしいとき、その気持ちを素直に助けてと言えるように、そして一日の見通しを持ち、穏やかに過ごせるようになり、自分の気持ちに折り合いをつけることを学んでいきます。
お友達同士の関わりでは、適切な距離感を学び、衝動的な行動ではなく、言葉でのコミュニケーションが向上し、解決できるように導きます。

こうして始まったCOMPASSですが、今回の活動の目標はお友達の人生を変えてしまうことに他ならず、難しい取り組みが予想されました。
活動はコミュニケーションを学ぶ課題から始まりました。
まずは相手の話を遮らずにきちんと聞くこと・待つこと・考えること・答えること・気持ちを理解することなど大事な要素を伝えていきます。
先生の指示には、「はい。」と返事をすること。
誰かに何かやって欲しいと伝えるときは「・・・しろ!」ではなく「・・・して下さい」と言うことなど、正しい言葉遣いを教えていきます。

お友達の反発は、先生たちもある程度は想像していましたが、想像の上をいく強い反抗に戸惑い、傷つくこともあったそうです。
何度も話し合い、療育への視点を「COMPASSでだからこそ、お友達は自分の気持ちを出せる。COMPASSは自分を受け止めてくれるところだと思っているから剥き出しの感情を出してくる。」と感じられるように切り替えていきました。

そこからは一切ブレずにお友達の思いを全身全霊で受け止め、成長に繋げる取り組みが始まりました。
どんなに反抗されても違うことは違うと伝えるように、一つ一つの課題に対し受け流したり、いい加減に対応したりせず、真剣に向き合っていきました。
お友達が好きなようにできないことを伝え「〇〇が終わったら、✕✕をします。」と見通しを持てるような指示を出します。
小集団活動では「ルールのある遊び」「役割分担のある活動」を取り入れ、お友達が決めたルールではなく、COMPASSで決まったルールに従って行動するように促しました。

学びの指示も、これまで思うまま行動してきたお友達にとって、それは「非難」でしかありませんでした。
注意を促したり、お友達がこだわるルールの誤りを指摘されたりすると、たちまち全身で怒りを表します。
先生が掛けるどんな言葉にも「いやだ!!」と横を向き、見ようともしない状態です。
もちろん謝ることもできません。
一旦火がつくと長時間続く怒りです。
拳を振り上げたり、帰る時間まで怒りが続くことも珍しくありませんでした。
長い時間がかかりました。

繰り返し、繰り返し、何度も、何度でも、できるまで、わかるまで、お友達のための取り組みは続きました。
そしてようやく今年の春を迎えた頃、お友達に変化が現れ始めます。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター樟葉
所在地:〒573-1116
    大阪府枚方市船橋本町2-9-2 ペブルコート樟葉102号 
連絡先:072-808-6358

(事業所名をクリックして頂くと事業所案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)
Copyright(c)2018@compass328 T.0. All Rights Reserved.

初めての方へ

COMPASSの療育手法
ご利用者の声
COMPASS施設一覧