COMPASS 大野城 好きなものを味方にして(2)

火曜日のCOMPASSです。
大野城のお友達が通い始めて5ヶ月ほど経過し、11月を迎えた頃には言葉の成長が見られ始めます。
学習の習慣も身につき、「できた!」をたくさん経験したお友達は、少しずつ落ち着いて活動に取り組めるようになってきました。
今ではずいぶん言葉の習得で語彙も増え、会話の中でも思いを伝えられるようになりました。
何かをお願いする言葉も「(して)ください。」のみでしたが「取ってください。」「開けてください。」と習得した動詞も増え、言葉の中に目的語や助詞を使い「〇〇を~してください。」と言えるようになってきています。

苦手な予定の変更に対応できるよう、COMPASSでは具体的な教材を見せ、同時に活動する内容を伝えるように促すと、お友達は予定を理解し、着座維持して取り組めるようになりました。
視覚的な教材が無くても、理解の進んだ言葉で早めに伝えることで、お友達は推測して行動できるようになってきています。
こうしてスケジュールの管理も上手になってきたお友達は、絵のファイリングだけでなく、目で見て情報を整理することも得意になってきました。

保護者様によれば、お友達には1歳9か月の時に人見知りや言葉の気がかりがあり、周りへ相談したり、情報を集めていくうちにたどり着いたのがCOMPASSだったのだそうです。
そしてCOMPASSに通うようになり、経験を重ねるうちにあれほど心配しておられた言葉の一つひとつが明らかにはっきりしてきたと評価してくださっています。

お友達はスケジュールを意識して取り組めるようになっていますが、やはり急な予定変更はまだ苦手です。
例えば学校でプールの予定があって、それが急な雨で中止になったりすると、自分の予定していたイメージと違うので混乱が見られるのだそうです。
保護者様は今後の課題として、スケジュールの変更等をより受け入れられるように、受け止める気持ちの幅が広がってくれるよう成長してほしいとおっしゃっています。

この春小学校2年生になったお友達は、今も絵を描くことが大好きです。
絵を描いているとき、特に大好きな動物の絵を描いているときはとても穏やかで、誰が見ても楽しそうな様子を見せてくれています。
成長にはお友達の頑張りだけでなく大好きな絵を描くということも大きな味方になってくれています。
保護者様もこの「好き」を大切にして、将来好きな絵が仕事になるのか、趣味としてかはわかりませんが、人生の軸や潤いになってくれたらと保護者様も願っておられます。

COMPASSでは設定した目標に向かい、継続した取り組みを続けています。
現在の目標は、まず語彙数を増やし簡単な要求や意思を発信すること、ひらがなや数字にさらに興味と親しみを持つこと、気持ちや活動の切り替えができるようになることを挙げています。
お友達の言葉の発信は、視覚的な情報を認知しやすいようなので、絵カードを活用するとよく言葉を返すことができています。
少しずつ語彙数も増え、以前は「・・さい。」としか言えなかったお願いも「・・ください。」から「取ってください。」や「開けてください。」等に変化してきています。

また、なかなか文字の形を取れなかったひらがなのなぞり書きでは、大好きな動物を題材にすると意欲的に取り組めていて、自分の名前も回数を重ねる毎に上達が見られているそうです。
数の認知は数の一致シールや数字の点つなぎ、カード並べや1~10の数唱などに取り組み、1~5までは自分でカウントできるようになりました。
気持ちの切り替えは、うまくできるとき・できないときがあって、いまだ試行錯誤の最中ですが、やはり取り組みやすい視覚的アプローチで切り替えやすいように促しを続けていきます。
これからも広く深く療育やコミュニケーションを継続し、目標に向かって、わかるまで、できるまで、目標に届くまで諦めない取り組みは続きます。

COMPASS発達支援センター大野城
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