火曜日のCOMPASSです。
COMPASS観音寺に通うお友達は今年中学2年生になりました。
お友達は小学校3年生の冬から観音寺に通い始めましたが、発語はなく、こちらの話も聞くことができず、お友達が何を言いたいのかわからずというコミュニケーションに大きな問題を抱えていました。
何かで興奮すると、かん高い声、大きな声が出てしまうこともあります。
そんなふうに興奮してしまうと、クールダウンにかなり時間がかかってしまいます。
保護者様は、非言語コミュニケーションではあるものの、ジェスチャーで周りの人との関わりが持てるようになってほしいと願われ、日常の生活動作もスムーズにできず、身辺自立も向上し、少しでも自分でできる部分を増やしてほしいと望まれています。
興奮したときにはスムーズにクールダウンして、落ち着いて過ごせる時間を増やしてほしいとも望んでおられました。
個別支援計画では言葉の表出も視野に入れながらも、場面に応じた挨拶や要求をジェスチャーで表せるようになることを目指します。
また、落ち着いて過ごす時間を増やし、生活動作でもできることを増やすことを目標として促します。
COMPASSでは声なきコミュニケーションをどう表現するのか考えました。
そこで例えば近くの相手を呼ぶときには、肩を軽くとんとんと叩いて呼んでもらうことにしました。
気づいて欲しいとき肩を叩くという行為ですが、お友達にとっては力加減が難しく、かなり強く叩いてしまうこともありました。
そこで、先生がお手本を見せながら言葉でも「先生」と声をかけ、もう一人の先生の肩を軽く叩きます。
その後、やって見せたように軽く叩くというお友達にとって難しい力加減に挑戦してもらいます。
その他の挨拶や、要求を伝えるジェスチャーでも、必ず先生が言葉を添えながら一緒に動作を行い、相手への伝え方が定着するように促していきました。
お友達との活動には先生との信頼関係の構築が重要だと考えました。
そこでお友達が大好きな手遊び歌や絵本の読み聞かせでは、相互のジェスチャーの理解を確かめ、言葉と挨拶のマッチングを通してより伝わるコミュニケーションを目指していきます。
その際、お友達がやり取りに意識し、集中できるよう、歌の速さを調整したり、動作の大きさやスピードはお友達に合わせるようにしたりと、工夫を凝らしながら楽しく活動していきました。
また日常生活動作につながる行動として、来所してからの挨拶から靴や鞄の片付け、手洗い、うがいや、検温などのルーティンを覚えます。
指示された場所に着座するまでは毎回同じ流れで、何度も繰り返し定着するように促していきました。
何かに怒ったり苛立ったりして、高い声を出すとき、すぐに対応しようと関わっても良い結果は望めません。
見守りを続け、お友達が落ち着きを取り戻してから、言葉と動作で正しい感情の伝え方を教えて促しました。
また、上手に想いを動作で伝えられたときには、その瞬間を逃さず、即時に反応するように心がけ、いつもお友達の要求に応えられるように心がけていきました。
お友達は学校の帰りに週に2〜3回のペースで通ってきました。
少しずつCOMPASSに馴染み、活動への取り組みにも慣れていきました。
療育では、色々な課題を準備して、短時間でできるものから数種類行うようにしていました。
また「どれを」「どこまで」すれば「終わり」になるのかを、視覚的に見て分かるように心がけ、見通しを持った取り組みができるように促し続けました。
活動では手指の巧緻性の向上と作業への集中力を目指し、手と目の協応動作を促す課題として洗濯ばさみ・型はめ・シール貼り・棒通しなどシンプルな動作の訓練を選択しました。
ところが最初は興味を持って取り組んでいた課題でも、慣れて飽きてしまうこともありました。
活動に飽きると、お友達は教材や手近にあるものを投げ始めるという困った行動を見せ始めます。
ものを投げる場面を目撃したとき、先生はあえて一切何の反応もしませんでした。
ものを投げる行動が止み、お友達が落ち着いてから、先生は落ちた教材を拾って渡し、冷静に最後まで取り組むように語りかけ、活動を促すように努めました。
COMPASS発達支援センター観音寺
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