金曜日のCOMPASSです。
COMPASSそがわに通い始めて1年になる小学校2年生のお友達がいます。
お友達に話しかけても、返ってくるのはオウム返しでした。
場所だけでなく、どこなのかという位置、そしてモノに強いこだわりを持ち、COMPASSでも着座できず、床に寝そべっていたのだとか。
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着座を促すと、一旦は座れますが、離席が多かったといいます。
送迎時、COMPASSに着いてもお友達は素直に車から降りられずに暴れていたそうです。
帰宅時間になって保護者様のお迎えが来ても、帰らないと走り回ったり、小部屋の鍵をかけて帰ろうとしないのだそうです。
そしてほんの少したしなめると、まるでひどく叱られたように泣き出してしまいます。
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保護者様はお友達が自発的なコミュニケーションが少ないことを気にしておられました。
たくさんのお友達と関われるようになって、いろいろな言葉を習得してほしいと願っておられました。
COMPASSでは、保護者様のこの願いを受けて個別支援計画を作成します。
まず短期目標として、ひらがなを覚えて、きちんと書くことができるようになることを目指します。
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長期的には学校やCOMPASSでいろいろなことを経験し、お友達の生活が充実できるように導いていきます。
そのために選択した課題は、COMPASSのプリント、またひらがなの読み書きの練習、発声のための口の体操、そして数字と数のマッチングができるようになり、時計を読むことなどでした。
こうしてお友達はOMPASSに通い始めますが、当初は世界の中心はお友達だというような態度でした。
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お友達は場面ごとに独自なこだわりや、独特な行動を持っていました。
先生はその一つひとつの振る舞いの改善を促し、より良い行動を提案していきました。
例えば、着座を促すと椅子に座ってみるお友達ですが、なんと机に足を上げてしまいます。
もちろんその都度先生は足を下ろして正しい立腰姿勢を促します。
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また活動の最中に次の活動への拒否を示したり、次の活動の取り掛かりにかなりの時間がかかっていました。
そこで、まず最初の活動を始める前に、その日のタイムスケジュールを伝えたうえでスタートすることを習慣にしていきました。
事前に予定を知らせることで、その日の行動がお友達の中で確定し、意識して予定時間が来ると穏やかに切り替えができ、抵抗が軽減していったといいます。
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切り替えだけでなく、どんな行動でもお友達には独自のこだわりがあるようでした。
しかもそのこだわりはほとんど間違いであることが多かったそうです。
先生は1つひとつの間違いが何か、正しいことはどうなのか、それらをしっかり伝えながら、少しずつ理解を促していきました。
少しずつですが、正しいことへの理解が増えていくと、頑なに譲らない頑固な姿勢が徐々に減っていきました。
お友達に指導したり、間違いを正すとき、COMPASSの先生たちは優しく丁寧に対応します。
ただ、お友達が泣いても正しさを伝えるときは、何一つお友達の誤りを受け入れず、断固譲らない姿勢で臨みます。
それでもお友達は、自分の誤りと正しい行動を素直に受け入れられず、泣きだすことが多かったのだそうです。
泣き出すと気持ちの切り替えができずになかなか泣き止まなかったお友達です。
お友達との日常は、そんなやり取りの応酬だったといいます。
とにかく、お友達は間違いだと指摘されても自分の誤りを受け入れられず、一向に次に進めません。
頑固さは、その日のスケジュールだと渡された課題についても別の形で現れることもありました。
その日のスケジュールをあくまでも守ろうとして、決められた学習量が終わらないと、保護者様が迎えが来ても帰ろうとしない頑固さを見せます。
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それは同時に課題への目標達成への意欲であるとも言え、集中を見せていきます。
療育は毎回違う顔をみせ、一進一退の日々が続きます。
それでも利用開始から半年が過ぎ、お正月を迎えた頃からほんの少しずつ変化を見せるようになっていったお友達です。
(後編に続きます)
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