COMPASS小倉北 楽しく話せるためには(1)

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS小倉北に昨年の10月から通っているのは、現在小学校1年生のお友達。
お友達は目の前の状況を理解したり、早い展開で場面が動くような話はすぐに理解することが苦手でした。
注意を受けても会話の内容が理解できず、何が悪かったのかが分からないこともありました。
たまに「いつ?」と聞いても、答えに困ったのか「いつ?」とオウム返しをすることもあったそうです。
また、片付けや場面の切り替えも苦手でした。
お友達と関わる中で嫌なことがあったときに、思いの丈を相手に伝えることが出来ずに我慢してしまうことも多かったようです。

保護者様は「自分の思いを相手に伝えられるようになって欲しい。」と強く願っておられました。
去年の、ちょうど今頃から通い始めたお友達。
保護者様の想いを受けて立案したプランは、滑らかなコミュニケーションでお友達と楽しく関われるように、そしてお友達自身の伝えたいことを相手に伝えられるようになることを目指す個別支援計画となりました。
日常生活の中にある時間や場所や状況などに存在する規則性を感じて動けるように、スケジュール表を見ながら活動の見通しを立てられるように導いていきます。

お友達のコミュニケーションに影を落としていた理由の1つは声が小さいことでした。
自信がないのか、全然伝わらないほど声が小さかったので、その都度先生は大きな声で話すように促し続け、声の大きさを意識しながら話すように促していきました。
個別の活動で先生が質問をすると、お友達は「わからない。」と答えてしまうので、なかなか会話が広がりにくかったのだそうです。

それでもお友達が何か一生懸命答えようとしているときには、ちゃんと聞きとって返事をしてあげたくても、あまりにも声が小さく、聞き取れないでいました。
そこで、お友達がキッパリ答えやすいように、質問に選択肢を与えてみます。
例えば「今日のお昼ご飯何食べた?」と聞くと、決まって「わからない。」という回答が返ってきます。
そこで「今日のお昼ご飯、ご飯とパン、どっちを食べた?」と二択で聞くことで、安心して答えやすいように工夫していきました。

とはいえ、お友達は決して誰かと仲良くなれないのではなく、逆に仲良くなるのがとても上手でした。
そこでお互いに刺激になれば相乗効果が生まれるのでは?と判断して、学習活動では近くの席に座ってもらうようにしました。
一緒に活動時間を共有しながら、ひとりが「名前、書けるよ!」と言うと、お友達も「私も書けるよ!」とお互いが意識して意欲的に取り組む姿を見せるようになっていきました。
活動を続けていくうちに、周りの人達にも興味が出てきたお友達。
そこで、先生が仲介しながら年齢や性別、学齢が違うお友達とも積極的に関わる機会を作っていきました。

それぞれが取り組む活動の折り紙や工作等を見て触発されたお友達が「自分もやってみよう!」と自主性を見せるようになってきました。
コミュニケーションの上達はたくさん関わって話すことが結局近道です。
活動の中で「色鉛筆をかしてください。」や「ありがとうございました。」等のマナーとしての挨拶を〇〇先生に言ってきてくださいと伝え、先生やいろいろな人との会話が増えるように機会を増やしていきました。
時間内に活動を終える、時間が来たら次の活動に切り替えると流れを意識できるように、目視タイマーを活用し、タイマーが鳴ったらお片付けだよと事前に伝えることで、見通しを持ちやすいように努力していきました。
そんなお友達に変化が見られ始めたのは5か月ほど経過した今年3月になった頃でした。
(後編へ続きます)

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