金曜日のCOMPASSです。
COMPASS中津Neoに当時小学校6年生だったお友達が通い始めてから、もう5年が過ぎました。
お友達には兄弟がいて、当時ご家庭では毎日のように激しい兄弟喧嘩が起きることに、保護者様も困り果てておられました。
兄弟揃ってCOMPASSに通っていますが、やはり事業所でも激しい小競り合いが度々起きることがあり、その度に周りのお友達にも緊張が走っていたのだとか。
またお友達は通い始めてみると想像以上に社会性や自発性が見られず、割り当てられた自分の役割に対しても、やらない理由をほとんど屁理屈で回避しようとする状況でした。
保護者様はそんなお友達を心配され「自分の主張ばかりでなく、相手の話をよく聞けるようになってほしい。」と望まれていました。
また「皆が平等に負うべきことで、割り当てられた自分の役割は責任をもって果たせるようになってほしい。」とも話しておられました。
そして、COMPASSで策定された個別支援計画では、長期目標として「生活習慣を身に付け、積極的な行動ができるように自分でできることを増やすこと。」を目指します。
短気目標としては「今自分でできることは、自分の役割として自覚し、やってみようと挑戦する気持ちを伸ばしていく。」という目標が設定されました。
当時小学校6年制の夏休みからスタートしたCOMPASSでの活動です。
指示を受けても素直に役割を全うしようとはしないお友達、やりたくないことは、お友達にとって「面倒なこと」「つまらないこと」「自分がやらなくていいこと」なのだそうです。
自分だけは特別だというような感覚があったのかもしれません。
そこでNeoの先生たちはお友達が自分の役割をやらないと全員が困るといった状況を意図的に作ってみます。
例えば、誰でもが面倒だと感じる清掃活動ですが、お友達もその区域の担当者だということが意識できるように何度も声かけを続けます。
そして、お友達が立ち上がるまで声かけを続け、できたときは素晴らしいと褒めていきました。
人は社会的な動物といわれています。
個人として存在していますが、同時に必ず他者との関わりの中で生きる動物なのです。
子どもたちにとっての社会性は「相手の言うことを聞いて理解する。」「自分の気持ちをきちんと伝える。」といった、他者とのコミュニケーションが中心となります。
社会性を身につける第1歩は「対人関係」の構築だと言われ、自分と保護者、先生、お友達など、1対1の人間関係で相手の気持ちを理解し、寄り添い、良好な関係が築ける状態を目指します。
1対1の関係から、集団の中での対応へと課題は写っていきます。
集団の中で自分の役割や立場を意識し、適切に役割を判断できるようになると、まわりの人たちと調和して過ごすことができます。
また、これら社会性の意識が成長するための引き金は、承認欲求の芽生えが良いきっかけになります。
子どもは3歳くらいから「できたことを承認して欲しい。」「保護者に認めてほしい。」「仲間として認めてもらいたい。」といった承認欲求が芽生えますが、これは人間なら誰しもが抱く「社会的な欲求」です。
幼少期にこの「社会的な欲求」が十分に満たされていると、社会性がうまく身についていくといわれています。
お友達の社会性を育てるために、集団活動の場面を活用しました。
集団活動では、お友達に先生と一緒に調整役をやってもらうとか、参加するお友達の取りまとめ、またリーダー役を依頼するように心がけ、お友達の承認欲求を満たせる役割を与えるように心がけました。
これらの役回りでは周りの話をよく聞く必要もあり、傾聴の機会も増えることで習慣化を目指していきました。
同時に同年代のお友達にも役割を分担するように協力を求め、グループを組織し、お友達だけの負担とならないよう調整を心がけています。
兄弟が一緒になるとCOMPASSでもトラブルが起き、兄弟同士激しく口論をする場面が見られました。
その都度先生が間に入り、仲裁が必要なことも多かったと言います。
社会性を育てる妨げにならないように、兄弟の配席は離し、グループ分けでは別のチームになるようになどの配慮は必要でした。
こうした配慮や支援を継続して行くうちに、昨年の4月頃からはっきりとした変化が見られるようになってきました。
(後編へ続きます。)
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