COMPASS別府 会話につながる道を選ぶこと(1)

金曜日のCOMPASSです。
大分県のCOMPASS別府に一昨年の1月から利用している男の子。
明るくて、元気いっぱいで、楽しいことが大好きで・・・。
その一方、ルールを守ったり、順番を待つことは苦手で、すぐにふざけてしまう傾向がありました。
楽しいとテンションが上がり、声のボリュームもどんどん大きくなります。
その一方指示の理解や会話に拙さがあり、スムーズに気持ちが伝わらないという面も持ち合わせていました。

保護者様も「皆と一緒の活動に参加できるようになってほしい。」と言葉の成長を願われていました。
また「興奮してしまうと大声になってしまう傾向があるので、穏やかに気持ちを表現できるようになってほしい。」と希望しておられたそうです。
COMPASSでは、これら保護者様の願いを受けて、お友達の困りごとや生活の改善を目指す個別支援計画を作成しました。

まずはスムーズな言葉のやりとりを目指し、簡単な問いかけに言葉で返答したり、挨拶をすることからスタートしました。
やがて、余暇時間にも周りのお友達と楽しく関わり、先生やお友達が話すことを落ち着いて聞くことができるようになり、これに対する回答や対応ができて、会話につながることを目指します。
「やりたくない!」と避ける傾向にある活動や、お友達にとって難しいこと、或いは興味が低いことにも、ふざけて誤魔化さずに素直な気持ちを伝えられるようになること、そして周囲の状況やルールに合わせて気持ちをコントロールできるようになることなども目標として設定されました。

こうして始まったお友達のCOMPASSです。
その屈託のない明るい笑顔で通い始めたお友達をCOMPASSの仲間はすぐに受け入れ、打ち解け始めます。
活動メニューは大まかに「運動あそび」「みつばプリント」「絵本」などでした。
最初に体を動かすことは幼いお友達には有効な取り組みで、運動後には心身ともに落ち着きが見られ、穏やかに過ごせるようになります。
それを踏まえて、絵本、プリント、カードなどでたくさんの言葉に触れ、意味を知り、使い方を知り、やがてお友達の最強ツールとして使いこなせるようになることを目指す取り組みです。

絵本を読むときにもコツと工夫を散りばめました。
お友達の絵本読みは、お友達が書棚から自分で選んできた絵本を使用しました。
「自分で選ぶ」たったそれだけのことですが、自分で選んだ本であれば、読み手の先生の声も集中して聞く様子が見られます。
こうしてお友達にいろいろな本を読み聞かせる機会をたくさん作り、その数が積み重なっていくにつれ、次第に情緒面の反応を見せるようになり、絵本の登場人物の気持ちを考えて自分なりに言葉で表現したり、ことの善悪や状況の判断、危険なことを認識するような発言も増えていきました。

いくつかの活動を並行しておこなうことで相乗効果を期待できます。
集団活動では、どのように振る舞えばよいかという約束を決めたり、やっていいこと・よくないことを先生と一緒に考え、ルールやマナーを理解できるよう促し続けていくうちに、それらを少しずつ意識できるようになっていきました。
その経験が絵本読みの際に語られていた、お友達自ら感じて考えた感想に至ったのだと思います。

回を重ねるごとに少しずつ成長への足掛かりを見せ始めたお友達。
ところが楽しいことや気分のいいことはいつも最優先されてしまう傾向はすぐには解消できず、自分が興味の持てないことに関してはまじめに取り組めず、茶化したり、ふざけてしまったりと、周りのお友達と一緒に活動に参加できない日もありました。

そのお友達の興味もその活動が「知らないこと」だという理由で興味を持てないことも多かったので、お友達の得意なことや、やりたいことではなくても、少しずつ関心が芽生えるように促しを続けていきました。
やがて1年と4ヶ月ほど経ち、年中さんに進級した頃には、行動や心情に変化が見られ始め、成長へつながっていると確信できるようになっていきます。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター別府
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