水曜日のCOMPASSです。
香川県のCOMPASS丸亀NEXTに昨年春から通っている年長さんのお友達。
お友達は人が多い場所が苦手で、人に興味を示すこともありませんでした。
日常的に緊張があり、立つ姿勢や着座姿勢が崩れやすいのだそうです。
どう接すればいいのか人との関わり方が分からず、叩いたり、噛もうとすることがあったのだそうです。
さらに、自宅以外のトイレが使えません。
困っていても自分から誰かに助けを求められず、こだわりが強く気持ちの切り替えが難しい側面もありました。
保護者様は「人が多い所でも安心して過ごせるようになってほしい。」と願いを話し始められました。
そして、お友達が楽しく穏やかに暮らせるように、そして環境や人・物に慣れ、こだわりを手放し、協調性を持てるようになってほしいと望まれます。
また、困ったときや分からないときには、自分から助けを求められるようになってほしいと望まれ、自宅以外でもトイレが使えるようになってほしいと願っておられました。
お友達の個別支援計画は、まずは事業所に通うことに慣れ、楽しく過ごす中で人とのコミュニケーションを育めるように導くことからスタート。
活動の中でも運動に関しては、いろいろなメニューを経験し、身体を動かす楽しさを感じられるように促し、お友達自身がボディ・イメージが持てるように導いていくことも目標の1つです。
また、時間をかけて丁寧に言葉の理解や発声の不明瞭さの改善に努め、小集団での遊びやコミュニケーションを楽しみながら、ルールやマナーなどの社会性を習得していきます。
最初から先生の指導を素直に受け入れて、楽しく活動に参加できるお友達はほとんどいません。
お友達も活動に取り組もうとしても、周囲に対する警戒感や緊張はあまりにも強く、誰も寄せ付けないかのような印象もありました。
当初は特に周りがみんな敵であるかのような気持ちだったと考えられ、ポジショニングもまず自分が一番上に位置していた状況でした。
先生が活動の指示を伝えても、手順を自分のやり方に変えようとする傾向も見られました。
本当は、真っ向から拒否して強引に指示に従わせることもできたかもしれません。
ですが先生は、お友達のやり方や気持ちも受け止め、手順を変えた活動として取り入れながら、少しずつ先生の伝えたやり方も受け入れられるように時間をかけて導いていきました。
お友達は新しいことも苦手で、一旦「苦手だ」と思いこむと、一切取り組もうとしません。
そこでお友達の受け入れやすいレベルに合った活動から始め、少しずつレベルを上げ、まずは一緒にやってみて、一緒にやった活動で思うようにできたときは、それはもう大層褒めながら、僕はできるという自信につながるように促していきました。
気分によって、または得意でないことに取り組むときも、集中力も持続できません。
そこでお友達が興味のあるものから誘ったり、情報の量や課題の量を調整しながら切り替え易いタイミングを作ったり、一定時間集中できるように調整していきました。
お友達同士での関わりは難しく、近くに机を並べると、叩いたり噛もうとするような他害行動の前兆の仕草を見せてしまいます。
そこで、少しずつお友達同士の距離を近づけ、そこにお友達がいるのが当たり前となるように慣れることから活動をスタートします。
それぞれ離れた別の机での活動から始め、次第に斜め前の席へ、次いで隣の席へと、慎重に徐々に席を近づけていく取り組みを心がけました。
お友達は体幹が弱く、姿勢の保持も難しいため、運動の中で体幹を促通する活動を取り入れるお友達同士で関わる活動には先生も慎重に取り組みます。
先生が必ず仲立ちで加わり、遊びも同じスペースでの並行遊びからはじめ、人と関わりのある運動を取り入れていきました。
そこにはコミュニケーションの課題も隠れていました。
周りのお友達のせいで嫌な気持ちや不快な思いになったのであれば、言葉によるコミュニケーションで改善を図れば良いのですが、お友達はストレートに態度で表現してしまうことが問題となるわけです。
もちろん都度会話の上達に向けた取り組みも試みられました。
こうして、少しずつ課題の改善、ポジショニングの確立、コミュニケーションへのアプローチを進めながら、日々諦めない療育を続け、やがて1年が過ぎた頃から変化が見られるようになっていきました。
(後編へ続きます)
COMPASS発達支援センター丸亀NEXT
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