COMPASS高知.Jr 距離を埋める言葉(1)

水曜日のCOMPASSです。
一昨年の春、当時年長さんのお友達がCOMPASSにやってきました。
最初の印象としては、性格は穏やかで落ち着いた様子に見えたそうです。

しかし保護者様によれば、お友達は先生たちの印象とは少し違っていて「やるべきことは分かっていても行動に移せない。」のだそうで、行動のタイミングを逃しがちだったそうです。
また家庭では「兄や妹に対して(特に妹に対して)には衝動的な行動(手が出る)」ことがあるので、それをやめてほしいと話しておられました。
そしてお友達は会話はできていたものの、自分の気持ちを言葉で表すことが苦手だったと言います。

保護者様の願いは「言葉がスムーズに出るようになってほしい。」そして「やるべきことに対してすぐに行動できるようになってほしい。」と言うことでした。
それだけでなく、学齢に見合う力を発揮し、文字が書けるようになってほしいと話しておられました。

個別支援計画はまず「COMPASSでの生活に慣れ、安心して過ごせるようになること」また「知っている言葉を増やしていく。」といったことを目指しながら、やがて「ひらがなを覚えて、文字が書けるようになり、たくさんの人と関わりを持ち、会話を楽しめるようになること」を目標とします。
指示から行動までの動きがスローペースだと言うことは先生たちも承知していて、お友達の頑張りは分かっていたので、急かすことはせず、余裕を持って行動できるように促していきました。

目指したのはスムーズな会話、そして行動のきっかけを掴んでスムーズに行動に移せるようになることです。
そこでプリント教材や絵カードなどを使用し、いろいろな言葉に触れて語彙を増やし、実際の場面で使うことができるように支援をおこないました。
また学齢に見合った学習能力を目指し、プリント教材や数字カード、おはじきなどを使用し、数の一致ができるように取り組みました。

ペグ差しや輪つなぎ、ビース通しなどで手先・指先の巧緻性の向上に取り組み、また落ち着いて、集中して目の前の課題に集中できるように試みました。
活動の間は集中しやすいように療育チェアーを使用し、正しい着座姿勢が身に付くように試みましたが、お友達はこの療育チェアーの微妙な段差の変化にも慎重だったと言います。

個別活動の指示も1回の説明では理解が難しいこともありました。
ところがお友達は自分から「分かりません。」「教えてください。」といった助けてを求める言葉を発信することが苦手でした。
自分だけでは解決できないことは、周りに助けを求められるようになるため、その時々の場面に適した言葉が出るように促していきました。

指示が入りにくい場面では繰り返し伝えたり、説明する言葉を言い換えて、お友達が分かりやすいように伝えることを意識していきました。
会話でも知らない言葉があると内容がうまく嚙み合わないこともあるので、お友達の知っている違う言葉に言い換えて伝えるように心がけました。

語彙が少ないこと、また即座に適した会話をつなげられないことが原因で、自信が持てないようだったため、それらを改善するために、小さな成功でも大いに褒めて、自信が持てるような促しを続けていきました。
尻込みしがちな人との関わり・集団活動でも、お友達は率先した一緒に遊ぶことが少なかったと言います。

そこで集団活動では先生が仲立ちとなってお友達との遊びに誘っていきましたが、実際に一緒に遊べるようになるまでには時間がかかりました。
やがて少しずつではありますが、ゆっくりと成長に向けた足跡はそれでも確かに進んでいきました。
(後編へ続きます)

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