COMPASS宇佐 落ち着きのある日常へ(1)

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS宇佐に今年の春から通い始めたのは現在小学校1年生のお友達です。
お友達は何か聞かれてもオウム返しになることが多かったと言います。
語彙も少なく、同じパターン化した一方的な会話が多く、会話のキャッチボールは難しいものでした。

自分の思いを言葉にして伝えることが難しい状態のお友達。
名前のひらがな・カタカナ、数字は読めるが、書くのは難しい状態でした。
小集団・集団の中でのお友達は、自分から積極的に関わろうとすることはあまりなく、活動中順番を守ったり交代することなど、ルールを守ることが難しかったそうです。

保護者様によれば、ご家庭でのお友達は、食事のときでも含め椅子に座らず、興味のあることをしているとき以外は落ち着きがみられない状態だったそうです。
また、語彙を増やし、スムーズな長い文章で会話ができるようになることから取り組み、危ないこと、危険な行為を理解して、落ち着いて過ごしてほしいと願い、社会性を養い、ルールやマナーが理解できるようになってほしいと希望しておられました。

これらの願いを受けてお友達の個別支援計画は、語彙を増やし、場面に応じたコミュニケーションを身に付けるというアプローチから始めます。
活動の中で、正しい着座姿勢を身に付け、落ち着いて過ごせる時間を延ばすように目指し、さらに小集団の中でルールや危険認識を促しながら、感情や欲求をコントロールできるようになることを目指していきます。

まず、着座姿勢を学ぶところから始めますが、着座姿勢の良し悪しは見た目の良さだけでなく、やる気が起き、持続力が向上、集中力がつき、行動が俊敏に、内臓の働きが良くなり、健康的に、精神や身体のバランス感覚が鋭くなり、身のこなしや振る舞いが美しくなると言われています。
特にCOMPASSでは、机上の課題を考えるために正しい着座姿勢を身に付け、集中して取り組む時間を延ばすようにうながし続けていきます。
個別支援計画にも記載していた療育チェアーで療育を行うことで、食事中や就学後の学校生活も落ち着いて過ごせるように支援していきました。

会話ではオウム返し、会話のキャッチボールができずに同じパターンの会話ばかりを繰り返していました。
そこで、お友達が良く投げかけてくるパターン化された言葉に対して、先生側が対応するバリエーションを増やし、コミュニケーションを図るように心がけ、会話が楽しくなるように試みました。
また、質問するときには二つの選択肢を出して答えやすい状況を作り、「この場合はこう言うといいよ。」と、その都度新たなパターンを伝えて模倣を促し、新しいパターンでの表現を広げていけるように促しました。
しばらくすると通所開始時よりも会話のキャッチボールができるようになり、問いかけに対して答えることが増えてきました。

集中ごっこ遊びに加わるとその様子を見て笑顔もみられた。
お友達から使っている型はめを一緒に使って良いか尋ねられると当初は無言であったが、聞かれた時にはどのように答えれば良いのか声かけすることで「ブロック使うのはだめだよ(いいよ)」と返答できるようになってきた。
また、他のお友達が使っているものを使いたいと先生に言うこともできるようになり、先生が「お友達に聞いてみようか?」と声をかけると「聞いてみる。」と答え、話せるように先生がお友達の名前を教えると、お友達の名前を呼んでお願いしたり、一緒にものを借りたいときにはどう言えば良いのか覚えられるように促していきました。

語彙、文字・数字の読み書きの向上を目指し、食べ物や動物などの絵カードでものの名前の認識を増やし、ひらがなは「ひらがなマッチング」や50音の絵文字カードも活用して理解を深められるように試みました。
絵と文字のマッチングを活用して、ものの名前と読みの一致を目指し、語彙を増やしていけるように、そしてひらがな、すうじは「ひらがな・すうじのかきじゅん」のなぞり書きをして、形や書き順を覚えられるように努力していましたが、日を追うごとに上達が見られました。

ひらがな・すうじ書きでは、鉛筆の持ち方に気を付けるように支援すると、4月の通所開始当時より筆圧も力強くなり、なぞり書きも線の上を上手になぞれるようにと。
美しい文字を目指し、文字を枠内に収めるように声をかけると、お友達は自分で気付き、書き始めの文字を小さく書き直せるようになり、先生が一字ずつ枠を書いて作業をやりやすくしたり、字の大きさを意識しながら取り組みました。

小集団・集団の中でお友達との積極的な関わりは少なく、ルール「順番」「交代」が難しかったお友達。
先生が介在しながら「ひとり遊び」から周りのお友達との共通の遊びを通して、順番や物の貸し借りのルールを覚えられるような場面を設定していきました。
「貸して」「いいよ」の言葉のやり取りや、自分がどんなにやりたいことでも「順番を守ること」「待つこと」を学べるように、繰り返し声をかけていきました。

面倒なのか、みつばプリントの絵を見ただけで答えに結びつけて判断することもありました。
その都度先生は「ちゃんと読もう!」と声をかけ、苦手な濁音など読めないひらがなは先生と一緒に読み解くことで、自分も積極的に読もうとしていました。
問題を解き終わると、自分から「はなまるかいて!」と可愛らしいお願いがあり、先生が花丸を書くと、とても嬉しそうな笑顔を向け、それは次のプリントへの意欲的な取り組みに繋がっていきました。

とはいえ、集中力が途切れると、プリントに、「P」や矢印など、落書きや指示したところ以外の色塗りをすることもありました。
「先生、どっちがいい?」「ねずみさん♪」などと私語が目立つときは、一度、他のものに興味を向けるように促し、「今は〇〇をするよ!」「後で~しようね!」「ここまではするよ!」など見通しを立てやすいように声かけをすることで、切り替えや再度集中した取り組みができるようになっていきました。
こうして試行錯誤を繰り返しながらの一進一退の日々でしたが、2ヶ月ほどが経過した頃からは成長の兆しがはっきりと現れてきました。
(後編へ続きます)

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