金曜日のCOMPASSです。
今日はCOMPASS熊本東で3年目の画期的に成長をしたお友達の紹介です。
お友達は一昨年の春からCOMPASSに通っています。
出会った頃はとにかくフリーダム。
好きなように部屋を歩きまわります。
椅子に「座りましょう」と声をかけてもスルー。
やりたくない事・嫌な事は耳をふさぎ、声にならない音で叫んで泣いて拒否。
手洗いの水が手にかかることも、先生が手を触れることも、全身で拒否。
そんな状態からCOMPASSの挑戦が始まりました。
まずは言葉を育てる取り組みです。
お友達はの口腔環境は音を発するには未発達だと考えられました。
そこで、口腔トレーニング。
おでこに貼ったティッシュを吹き上げる、ストローを使って丸めた紙玉飛ばし、シャボン玉・・・
ストローを咥えるものの、息を吹く力が弱くて紙玉も飛び出さず、ティッシュも揺らめくことがありません。
シャボン玉は気に入ったものの見て喜ぶだけで、勧めても「いや」という仕草。
口輪筋を鍛えるため、ご機嫌な状態の時を見計らい素早くマッサージも行われました。
言葉を獲得するためには、とにかく音のシャワー、言葉のシャワーをたっぷりと浴びることが大切。
あらゆる方法が取られ、中でも幸いなことに、お友達は絵本や絵カードは好きなようでした。
「ケーキだね」「りんごだね」などと絵本を指差して語りかけると指を指してニッコリ。
りんごの絵カードを出し「りんご」「りんご」と繰り返しすと、お友達もニッコリ。
先生の口の動きを見せ「り」・「ん」・「ご」と語りかけます。
楽しいらしく、音が出ないまでも「り」・「ん」・「ご」と、お友達も口真似です。
トイレへの促しは絵を使った視覚支援が一定の効果を見せました。
「椅子に座る」という絵を見せると、歩き回っていたお友達は途端に笑顔。
絵を手に取って机に移動し、絵の通りに姿勢をまっすぐにして座れました。
「お友達がトイレに行く」様子の絵を示すと、絵を手に持ってトイレに移動。
でもトイレに行くことができても、絵の通りに行けただけ。
トイレで排尿するという動作と結びついてはいません。
お友達にとってこれは遊びでしかなかったようで、しばらくすると飽きがきて効力がなくなりました。
しかし、このステップで正しい導きがあればできるという確信を持つことができました。
この後もトイレトレーニングは手を替え品を替え、色々な声かけ、様々な手段での取り組みが続きます。
3か月経った頃には、自力でパンツ・ズボンの着脱が出来るようになり、トイレに誘導すると、1回目はすんなりOK。2回目はイヤ!と拒否。
3回目はOK・・・促しを受け入れ、行ける回数がだんだん増えてきました。
「かずの絵本」の読み聞かせは大好きで、熱心に聞いていたお友達。
順序数や、どっちが多いかなどもすぐに理解。
やがて、絵本を読み聞かせながら「おにぎりいくつ?」と問いかけると、指で「よん」を形作ることができるまでになり、数と数字が一致するようになってきました。
教材やおもちゃも「○○さんもやりたいから、半分こしましょうか?」と提案すると、受け入れられるように。
当初は貸し借りを嫌がり、泣いていたお友達です。
半年後には、まだ不明瞭ながらも発語が見られ、先生の問いかけを理解し、行動する様子が見られました。
脱ぎっぱなしだった靴も、先生が「タイマーが鳴ったら片付けてトイレにいきましょう」と声かけをしたところ、アラームの音を聞き、きれいに下駄箱に靴を入れ、トイレに行く事が出来ました。
言葉の指導は「五十音」の型はめパズルではほとんど自力ではめられるように
お絵かきも進歩し、殴り書きしかできなかったものが、先生の「顔」を描いたよと教えてくれたのもこの頃。
9ヶ月。
先生のお口を見て、口を大きく開けながら、ことばを真似する事ができるようになってきました。
絵カードを見て、お友達は五十音ボードの平仮名でその言葉を指差します。
自分の名前も、ひらがなで指差しができる様になりました。
そしてある日「パパパ・・・」「マママ・・・」と、発する声を聞かせてくれました!
さらに、オムツの状態ではありましたが「(おしっこが)出た!」と初めて教えてくれました。
1年後には、「はい」「いや」は、はっきり言えるようになり、「ぱ」「ぺ」「べ」などの半濁音も使える様になってきました。
トイレトレーニングは継続中。
排尿があった事を教えてはくれますが、トイレに間に合わないこともしばしばです。
しかし、少しずつですが確実に成長の歩みは続いています。
春、お友達は保育園へ通い始めました。
園のお友達ともうまく接することができるように個別指導に加え、集団活動でコミュニケーション力・社会性の発達を目指します。
保育園へ登園することもお友達の成長に大きく寄与した様で、トイレの成功も多くなりました。
不明瞭な発音混混じりであるものの、言葉での意思表示が見られる様に変化してきました。
言葉を得たことで、意識は「自分対モノ」「自分対先生」という距離からグンと視野は広がりを見せ始め、COMPASSの他のお友達の名前も覚え、名前を呼ぶ様子も見られる様になりました。
問いかけにも1語文で返すことができるようになり、語彙の獲得が急激に向上していき・・・
今、2語文、3語文もとても上手に話すことができるようになったお友達。
お友達の言葉への意欲、知識への興味は際限がありません。
後でわかったことですが、お友達、実はかなりおしゃべり好きだったようです。
お友達の華麗なる変身です。
熱心に課題に取り組む姿から「あの頃」は想像できません。
時折意固地な片鱗は見せるものの「いや!」より「はい!」が多くなってきたお友達。
「はい、先生!」お友達の声はとても素敵な響きです。
明日はどんなお話を聞かせてくれるだろう?
ニコニコと通ってくるお友達がやってくるのが、毎日楽しみで仕方がない先生たちでした。
COMPASS発達支援センター熊本東
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