No.732 COMPASS本部教室 お友達の10ヶ月

火曜日のCOMPASSです。
COMPASS本部教室でも4月から小学校へ進学するお友達がたくさんいます。
昨年6月に初めてCOMPASSを訪れたお友達。
進学準備が始まる時期、ご家庭ではお友達が困らないよう、今できることを探しておられたそうです。
面談時のご家庭の願いは、言葉を理解し、自分の気持ちを表現できるようになってほしいというものでした。

当初のお友達は、恥ずかしがり屋でどちらかというと消極的。
少し発音が不明瞭で、これはお口のトレーニングで口唇を使って発音できるように指導。
語彙を増やし、文字への興味を促すために、まずはプリントに取り組みました。
この頃使ったのはオリジナルプリント「A-12」と「ひらがなのおけいこ」。

着座しての学習スタイルに慣れていないお友達には、きっと辛かったのでしょう。
初めの頃は「難しいな」「やりたくないな」という気持ちになると目線を外したり、「眠たい・・」と言ったりして集中が続かないこともありました。
COMPASSに到着するとご挨拶、個別指導でプリントや言葉の練習、お友達みんなで「あいうえお表」の唱和・・・
繰り返し繰り返し、つまづいたら次の回にもう一度、そして少し先へ、戻ってまた繰り返し、少し先へ・・・刺繍のステッチのように重なり合う学習の経験を積み上げ、お友達は少しずつ変わっていきました。

ひと月たった頃、着座して課題に取り組むことがお友達の中で習慣化してきたようです。
7月末には月例プリント「B-6」で平仮名の清音を終わり、8月からは月例プリント「B-7」で濁音の勉強を始めました。
AからBへ移行することは大きな成長です。
ひらがなのなぞり書きもこなせるようになり、お友達の中で少しずつ「できる」という実感が芽生え始めたこの頃。
7月には1~10の数唱をしようとしても数字の抜けがありましたが、8月末には5までの数量把握が出来るようになりました。
9月には月例プリント「B-12」まで進み、苦手だった数も1人で数の合成や分解が出来るまでに。

季節は秋になり、10月頃からひらがなの読みが少しずつ出来るようになり、11月には自分の名前を積極的に書くようにもなりました。
夏に、なぞり書きを頑張っていたので、筆圧が弱いながらも正しい鉛筆の持ち方で丁寧に書けるようになりました。
11月には月例プリントも「C-9」になり、10までの数量把握へと進み数の合成や分解も出来るように。
12月になると月例プリント「C-12」になり平仮名の読みが殆ど出来るようになって、語彙が増えたことで「しりとり」も楽しみながら学習出来るようになりました。
先生とも冗談を言い合って、自ら言葉のやりとりを楽しむ姿も見られるほどに成長。

年明けの1月には月例プリント「D―1」へ進み、助詞や拗音、促音も理解出来るようになってきました。
会話の中で自分の気持ちを何と表現したら良いかわからない時には、まだ先生が気持ちを汲み取って伝えていますが、だいぶ自分で言葉にすることが出来るようになりました。
日記でも一文字ずつ確認しながら、持てる語彙数を駆使して文章を書けるようになってきました。
最初の頃と違って、わからないことがあれば積極的に先生に質問してくれます。
この積極性こそお友達を大きく成長させた要因です。

今は、就学の準備として45分間の着座(立腰姿勢)を維持出来るように頑張っています。
又、お友だちとの関わりの中で社会性や善悪の判断力を育めるように導いています。
諦めない指導ですが、学習への意欲を高く維持できるように決して無理強いはしません。
少しできたらほめて承認するということが大事なステップで自信に繋がります。
苦手意識があっても小さな成功体験の積み重ねで「できるかも」「やってみよう」と感じてくれます。
なぜなら、これまでもできたんですもの。

お友達と楽しく遊んでいる元気な声を聞くと、当時が嘘のようです。
華奢な背中にランドセルを背負い、小学校の門をくぐる少し未来の想像のお友達は、もちろんキラキラの笑顔です。
ご家庭の希望へ一歩近づくことが出来た10ヶ月になったのではないでしょうか?

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