COMPASSしまんと  まっすぐに顔を上げて・・・

月曜日のコンパスです。
COMPASSしまんとに平成29年4月から通っているお友達がいます。

とてもシャイなその男の子は、見学の時も、恥ずかしいのかずっと下を向いていました。
お家の方も恥ずかしがり屋で引っ込み思案なところを心配され「自分に自信を持ってほしい。人前でも堂々と行動できるようになってほしい。」と願いを話されていました。

こうしてCOMPASSでの日々がスタートします。
まず挨拶、着座、学習と先生の指示に素直に従い、頑張っていますが・・・
プリントでわからないところが出てくるとピタッと動きが止まってしまいます。
「どこがわからない?難しい?」と先生に声をかけられてもか細い声で「わからん、わからん」と言うばかりで固まってしまいます。
一旦そうなってしまうと実に30分ほどうずくまってしまうお友達。
活動に戻ってくれるまでかなりの時間がかかりました。

おやつを配りみんなで頂くときにも「挨拶してね」と促しても、やっぱり恥ずかしがって黙ったまま挨拶できません。
自信を持って発言する為にはどう導けばいいのか?
切り替えが難しいことにはどう対応すればいいのか?
この課題に向けて先生たちは何度も話し合いを繰り返しました。

人前で話すことが嫌な気持ちはわかるものの、そこは譲れない学び。
しっかりとプログラムを立てていきます。

発言がないことは、話すことに自信がないことも理由の一つと考えられ、発音練習、音読を大きな声でできるように日々繰り返しました。
かなりの時間をかけて言葉とコミュニケーション練習の繰り返しを行なってきた成果が少しずつ現れ、曖昧、不明瞭、不確かな言葉の応酬がだんだんとはっきり、大きな声でできるように変わってきました。

また、人との関わりを恐れないで楽しめるようにと、お友達が好むトランプなどの遊びを通して小集団の関わりを増やし、自分で別のお友達も加わるように誘ってもらったり、ゲームの間に不慣れなお友達にルールを教えてもらったりして発言の機会を狙います。
人前にでることに慣れるように、あえて役割分担を行い、お友達の順番の時にはおやつや昼食時のご挨拶をお願いしました。
慣れてきた頃を見計らい、お友達に集団で療育する際にはリーダーになってもらい、率先して発言できる機会を作りました。
頑なに押し黙ってしまう、殻に閉じこもることをお友達は次第に手放せるようになり・・・

4月、中学部2年生に進級したお友達。
お友達は、すすんでお手伝いや挨拶をしてくれるようになりました。
お正月のカルタ取りでも、自分から「僕が読む!」と発言し、大きな声で札を読んでくれました。
3月に進級への抱負を発表し合う活動でも「僕は、中学2年生になったらお勉強を頑張ります!」と全員の前で堂々と発表する姿はとても誇らしいものでした。

あの時、下ばかりを向いていた男の子は、まっすぐに笑顔を向け、素敵な声で話す頼れる存在へと成長しました。
嬉しいことに、保護者様から学校で「卒業生を送る会」が行われた時、お友達が立派に司会を務めたと言う報告もありました。
諦めず、繰り返し、一つずつ上がるステップ。
・・・そして今日もまた1歩、未来への歩みは続いています。

COMPASS発達支援センターしまんと
所在地:〒787-0013
    高知県四万十市右山天神町4-31
連絡先:0880-34-8328

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