NO176.リース作り&壁面構成
壁面構成に関して様々なご意見を頂きました。
子どもの集中力を損ねるのではないか?
壁は白のままが良いのではないか?
目線に掲示するのは間違いではないか?
旧来の指導手法からの考察もいくつかご案内頂きありがとうございました。
子ども目線では、例えば上のピンクのウサギはどうなのか?オレンジや、紫のペンギンはという考え方もございますが、創造力を養うという観点からすると決して悪い事ではないと考えます。
守破離という考え方もございますが、形に縛られるのではなく、自由な発想を養うのは別角度からの刺激から生まれる物であると考え、ペンギンは黒と白と決めつける考え方こそが子ども達の自由な発想を縛る物であると考えます。(模倣を否定するわけではありません。色彩感覚は体験から得られる事が大であると申し上げたいだけです。)
また、集中出来る環境は大切ですが、現在社会は、日常生活においても、学校生活においても、園生活においても非常にカラフルで子ども達の興味をそそる物が沢山あります。私達は、それらを払拭する集中力を養う事が大切であると考えます。
何も置いていない教室はございません。無機質な環境で育てられた子は、1つの変化でも動揺し、集中力を欠いてしまうのは自明の理かと存じます。そして本当に集中した時には、それらの物は目に入らなくなるのです。
「出来ないから見せない」では駄目なのです。子ども達をずっと守るわけにはいかないのです。子ども達は自力で立ち上がる力を養う事こそが大切であると考えます。
刺激が与えられる環境こそ、子ども達の発達を促せるとと考えます。無機質な環境ではプラスは得られないのです。発達は得られないのです。刺激がなければ、反射は起こりません。
そして何より、毎月の季節の行事を加味した壁面構成は、時間の経過、季節の移り変わり等を自然と体得する重要な役割を演じます。COMPASSの子ども達は、秋には紅葉があり、コスモスが咲き、落ち葉を拾い、焼き芋を楽しみ、七五三がある事をしっています。
冬にはクリスマス、1月はお年玉がもらえる楽しいお正月がある事を理解しているのです。それは、毎日教え導く作業の中から養える事であると考えております。
決まりきった色を使うのも、創造性を育むという観点においてはマイナス要因が強いのです。私達は現在300を超える学校や幼稚園に訪れておりますが、真っ白な壁面のままの施設は1か所たりともございません。
療育技法の多くは欧米で早くから開発され取組みが行われてきましたが、時代の流れと共に色調による室内構成等も含めて行われており、楽しい雰囲気を演出する努力は支援者の大切な役割であると考えられております。
そして、変化は時に必要な作用であり、正しい演出により子ども達の意識をも変革する事が可能であると考えられています。更に、作品を展示する等の作業も、評価を得たり、次の活動に繋がる大切な側面的支援であると言われています。
私達COMPASS発達支援センターでは大変ではありますが、スタッフの協力も得て、毎月壁面を変えております。50名を超える子ども達の支援を行っておりますが、壁面のせいで集中力が欠けるというような事案は一度も発生しておりませんのでどうぞ安心してご家庭でも壁面構成に挑戦されてみて下さい。
また来たい教室を演出する。
暖かなぬくもりのある演出をする。
参加する事による喜びを分かち合う支援を行っております。先月は、子ども達が自分でミノムシの顔を描きましたが、12月はクリスマスをにらみ、皆でリース作りをする事となりました。
本格的に蔓(つる)で作りたいという希望も子ども達からでておりましたが、折り紙でオリジナルリースを作る事となりました。どの子も真剣で、自分で折り紙を選び、構成を考えながら一生懸命取組みました。
幼稚園さんから、小学校6年生まで皆で仲良くリース作りに取り組む事ができました。教室はシーンと静まり返り、一生懸命に飾り付けも行いました。
はい、出来上がりです。
そしてCOMPASS中津のスタッフにより12月の壁面構成です。サンタが持つ白い大袋にはどんなプレゼントが入っているのでしょうか…
私は過去30年に渡り3000名を超える子ども達を直接指導して参りました。良い活動は残し、改良を重ねながらの30年でしたが、壁面構成はプラスにこそなれマイナスにはなりにくい支援技法の1つであると認識しております。
そしてベストは子ども達と一緒に取り組める事で更なる支援に繋げる事が可能な取組みです。する前から書籍に惑わされるのではなく、まず挑戦してみて頂ければと存じます。