NO305.悲しいお別れ…
NO305.旅立ち…
保護者心得
平成27年12月末日、COMPASSのある施設から中学生のお友達の特別な施設への送致が決定し、1人旅立つこととなりました。
彼と出会ったのはまだ小学校に通っていた頃で、詳しくはお伝え出来ませんが、問題行動がある中、学校、児童相談所等、関係行政機関を含め連携しながら、支援を続けておりました。
早い段階で将来の目標も持てるようになり、他の学齢のお友達の見本として学習にも意欲的に取り組めるようになり、暴言や衝動行動もおさまり、この調子で順調に成長出来るのではと職員と一緒に見守っておりました。
COMPASSでは大変素直で、我儘もなく、暴言等の問題行動も一切なくなり、中学へと無事進学出来たのですが、交友関係等が変化する中で、衝動的な問題行動がCOMPASS以外の場所で目立つようになりました。
ゲームセンターに立ち寄るようになったり、家を飛び出してみたり、公園や駅等、夜探しまわる事も何度かあり、安全確保の為に、長期間ご家族が帰宅するまでの時間を私共でお預かりしておりました。
勿論時間外の支援です。夜8時、9時過ぎの時も多く、逆に職員の体調をを心配するまでになっておりました。
周りに見守られ、心配される中であっても、問題はおさまらず、苦渋の選択として今回送致が決定する事となってしまいました。
1月からは、施設内で学習する事となり、規則正しい、規律を重んじた生活の中で、将来社会人として自立した行動がとれるよう教育頂く事となりました。
何とかなれば、良くなればと願いながら、時には厳しく、そして日々愛されている事を伝えながらの懸命の支援活動を行っておりましたが、残念ながら願いは叶わず私達の手を離れる事となってしまいました。
とても素直な少年なのです。
小さなお友達に慕われるやさしい少年なのですが、
一歩外にでると別な一面がでてしまっているのです。
多くの場合の問題行動に起因するのは、それまでの体験ではないかと言われています。
抑止が可能なキーパーソンが不在となった時、衝動的な気持ちを自分自信でコントロールする事が出来ない為に問題行動がおこります。
過去の体験からフラッシュバックした動機を抑えられなかったりするのです。
私達が出来うる精一杯の愛情をかけて、支援を行いながら、気持ちのコントロールを身に付けさせられればと取り組んで参りましたが、実に残念でなりません。
本人は、「施設で頑張って立派な大人になって帰ってきます。」とけな気な事を言うのですが、「待ってるよ。」としか言えず、唇をかみしめました。
愛情をもって子どもと接する…
とても大切な事なのですが、愛しているから愛されていると感じているわけではないのです。大切に思っていても、大切にされていると本人が感じられない事があるのです。
恐らく私達の事を今一番信頼してくれていたのだとおもっております。
私達が愛している、大切に思っていると本人が自覚しているからこそ、「立派になって帰ってきて先生を食事に連れて行きます。」と言ってくれるのだと思います。
愛してくれているお母さんの為、お父さんの為に頑張る…その気持ちを得られているかが行動抑制の起因に繋がるのではないかと感じます。
してはならない事をしたとき、麻薬と同じようなホルモンが脳内を駆け巡ると言われています。でも家族に迷惑がかかるから、愛する人を傷つけてしまうから、期待を裏切りたくないからという根源的な気持ちが自制心を呼び起こすのではないかと思います。
正しい価値観を知り、正しい自分であろうとする事を放棄した時、悪い誘いに、暗い入り口に立ってしまうのではないかと思います。
このブログをご覧の保護者の方々はどなたも皆、子ども達に精一杯の愛情をかけておられると思います。
その気持ちをしっかりと伝えて下さい。感じさせて下さい。それが頑張る気持ち、我慢する気持ち、やり抜く気持ちに転化されると信じて下さい。
前出のお友達は、卒業するまで、面談も限られており寂しさひとしおですが、今は、逞しく成長して欲しいと願うばかりです。
再開を楽しみに、来年もいっそう子ども達の支援に取り組みたいと思います。