NO.329 就学問題に関して…

NO.329 ネガティブな助言は聞き流す
 保護者心得   【自閉】 【LD】 【多動】 【注意欠陥】

3月21日TBSで取り上げて頂いてから、僅かな放映時間にも関わらず、引きも切らず多くの皆様からお問い合わせ頂き、福岡まで、飛行機で関東方面からおいでになったり、出張療育相談に、関西圏の方々がCOMPASS岡山まで来所されたりとこの1カ月実に多くの皆様とご面談させて頂く機会を頂きました。


遠方から片道5時間近くかけて来て頂いたり、もっとゆっくりお話し出来ればよいのですが、何組もお出でになっておられ、時間の制限のある中で慌ただしくお話する事が少なくなく申し訳ない気持ちで一杯です。

事前に情報を伺っておりましても、2時間程度では話しつくせず、一度退出して頂いた後に、再来所頂いたりとお帰りの時間も遅くなってしまい、1時間近くお待たせしたりとこの場をお借りしてお詫び申し上げます。

この1カ月で感じた事


驚いたのは、私達から拝見し、
「何故この子が就学出来ないと言われたのか…」
と思えるお子様が実に多かった事です。

8割以上の方が、様々な機関で、ネガティブなアドバイスを受けておられました。

「勉強を教えても無駄です。忘れた方がいい…」

「普通学級への就学は困難です。諦めて下さい…」

「無理をさせず…少しでも社会適応能力を育てて…」

言葉が遅いだけかのに…

どうして無理と決めつけてしまうのでしょう。

何故諦めるように、話されるのか。

何を根拠に、その子の人生が出来ないと決めつけるのか。

僅かな検査時間で何がわかるのでしょう?

ネガティブな助言は「はねのけ」て下さい。

その話を疑って下さい。

その話しの根拠を求めて下さい。

何故そんな事が断言出来るのか懐疑的にお考え下さい。

人は万能ではないのです


診断された病院の〇〇や、検査された〇〇士の知識不足であったり、勉強不足という場合も考えられます。

担当の〇〇や〇〇士が経験不足であったり、根拠なく主観的な助言をされてる可能性も否定できないのです。

人間は皆間違えるのです。
専門家でも絶対ではないのです。

見間違い、考え違い、思い違いがある事を、どうぞお忘れにならないで下さい。

経験豊かに見えても、転科※したばかりの先生もおられます。※診療科目を変える事

そして聞き手の聞き間違い、早とちり、思い込みがある事も忘れないで下さい。

専門家を揶揄しているわけではありません。

最新の研究にふれ、新しい論文を読み、常に実践と研鑽を積み重ねておられる先生方も沢山おられます。

しかし全ての先生方がそうではないのです。

診療科目によっては、忙しすぎて診察時間も短く、先生がお考えの本意を伝えきれない場合も少なくありません。

そして全ての先生方がお話が得意なわけでもありません。

私は話し下手ですから、1組に最低でも1時間から90分お話させて頂きます。

間違いなく、しっかりと、お伝えするために出来れば2時間以上、私の考えの根拠を含めて細かにお話しておりますが、毎日数十人と診察される方の場合、私のように時間もとれないのが現実です。

飲まず食わずで8時間以上取り組まれている先生も少なくありません。
人間ですから気分のいい時も、悪い時もあり、体調が優れない時だってあります。

もっと相談したい、もっとお話しを伺いたい保護者に対して、短時間で説明しなければならない事も多く、相談半ばで終了する事もあり、疑義が生じる場合もあるように思います。

何があっても事実と根拠を見極める
何事も単純に信じない
常に例外のある事を念頭に行動する事を忘れずに

COMPASSをお訪ねになる方は、一縷の希望を持って来所されている方々です。

お話に疑問を感じていた方々です。

専門家のネガな意見に耳をかさなかった方々です。

お子様の力を潜在能力を信じた方々なのです。

何か良い方法はないのか、解決策はないのかと探し求めておられる保護者の皆様ばかりCOMPASSの療育相談に来られているのです。

私共では重篤な問題を解決する事は残念ながら出来ません。
治療行為も、投薬も出来ません。

無くした視力も聴力も取り戻す事は出来ません。
口蓋裂を治す事も出来ません。
神経断裂を治癒させる事も出来ません。
四肢の麻痺を治す事もできませんし、遺伝子的な問題を解決する手段も持ちえません。

しかし、
視力がなければ、点字を教えます。
聴力が無ければ、手話を教えます。
発語に問題があれば、話す事が出来るまで、言語一致出来るまで支援し続けます。

神経の問題があれば、様々なマッサージ等により回復を試みます。
歩く事が出来なければ、立つことが出来るように、一歩でも歩む事が出来るように、一人でトイレに行けるように支援し続け、誰にも負けない知力を養います。

支援し続ける中で、医療的処置で改善出来ない問題を軽減させる事が出来るのです。

トリソミーのお友達であっても、数を数え、ピアノを弾き、歌を歌い、本を読み、日記を書いて、ストレスなくコミュニケーション能力を獲得する支援が出来るのです。一見何の問題があるのかわからなくする程成長を促す事が出来るのです。

科学でわかっている事は実はごくごくわずかです。

私達は電気を使って物を動かしたり、明るさを手に入れたりできますが、その使い方を知っているだけで電気そのものを理解しているわけではないのです。

アリの命すら蘇らせる事は出来ないのです。

脳内の問題、心の問題も、圧倒的に未知の領域が多く、全てを断定する事は出来ないのです。

ご自身のお気持ちを信じて下さい。

お子様の成長の力を信じて下さい。

そして最後に、時間を味方につけて下さい。

焦らない事も忘れないで下さい。
2歳までに〇〇出来ないといけない。
5歳では〇〇出来なければならないという
平均思考を捨てて下さい。

2歳で出来なくても、3歳で出来れば、4歳で出来ても良いのです。

5歳で出来る事が、6歳で出来るようになっても、7歳で出来てもいいのですから…


何を言われても、お子様の力を信じて諦めず、繰り返し適切な支援をし続ける事で成長が促せるようになるのです。

諦めず、上の写真のように、これだけ繰り返せば、何でも出来るようになるのです。