NO127.親が信じないで誰が信じるのか!
毎月沢山の保護者の方々が療育相談に来所されております。私共にたどり着くまで、療育について真摯に勉強されておられ、様々な施設を見学されたり、療育支援を経験される間に、次第にお子様の将来を悲観し、傷付いて来られる保護者の方も実に多くいらっしゃいます。
多くの場合、他の専門機関で支援を受けても、改善がなかなかみられないか、或いは、1ヶ月に1回の支援で、これから後の療育後の成長に関して問いかけをされ「これ以上改善の見込みがない…」というような、成長を完全否定するような保護者にとっては、死刑宣告にも近い事を告げられ、途方にくれてコンパスに来られるケースが後を絶ちません。
殆どの方は、それでも何とかしたいという強い意志をお持ちですが、余りにも傷つき過ぎて、壊れそうな心のバランスを維持しようと、いつのまにか心理的自己防衛に走られ、何とかなればという期待と、これ以上は傷付きたくないという気持ちのはざまで、苦しんでおられる保護者の方々がお越しになられます。
何とかしてでも成長を促そうという気概を失われ、「もう成長しないだろう…」「今以上の進歩は望めない…」「私達には何も出来ない…」と言われる一方で、「誰かどうにかして…」という二重拘束にも似た心理状態で、「どうせもう、無駄ですから…」と支援をする前から諦めた事を口にされ、私共のアドバイスにあまり耳を傾けられません。
そして「この子は、特別なので…」と良くならない理由を山のように語られます。成長出来ないと断定された発言が多く、出来る事も出来なくなってしまうという悪循環に陥られます。
諦めておられるので、適切な家庭での支援を怠られるので、成長するための支援も不十分となり、成長のチャンスを逃してしまわれたり、本来の予定よりも大幅に進歩成長がみられるまでに時間を要します。諦めてしまっては、何も良い事がありません。せっかくのチャンスを台無しにする可能性があるとご理解下さい。
そんな保護者の方に、
親が子どもを信じなくて誰が信じるのですか!
とお話しております。
周りが駄目だといっても、諦めないで下さい。耳をかさないで下さい。何があってもお子様を守れるのは保護者だけです。親が諦めたら終わりです。何とかするぞと、あがいて下さい。信じて、繰り返し繰り返し指導し続けた時結果が出るのです。私に騙されて下さい。とお話し申し上げております。
人は基本的に、無駄な事はしたくないのです。無益な作業が怖いのです。いつの間にか他力本願になってしまわれます。この病院で…この薬で…このサプリで…この施設で…全部人任せで、成果が出ないのは、医師のせいで…薬せいで…サプリが効かないから…あの施設は何もしてくれない…と全部誰かのせい…
もう誰かのせいにするのはやめにしましょう!
自分自身で何とかしようとする気概が大切です。
お子様の未知なる力を信じる事で、未来の扉が開くのです。
これは絵空事ではないのです。
私達コンパスで、定期的、継続的な支援が出来れば、ご家庭の支援が乏しくても、進歩や成長を得て、「うちの子も成長出来るんだ!」と理解出来た段階で、ようやく私達のアドバイスに従って、一生懸命に、ご家庭での療育指導が始まる事となります。
成長を認識出来ると考えをお替えになり好転するのですが、月1回や隔週1回では、ご家庭での指導がなければ、非常に困難な事となります。通所されて、せっかく積み上げた物も、時間が風化させて次回来られた時はまた最初からやり直しとなってしまうのです。
でも、ご家庭で適切な支援さえあれば、成長を獲得出来るのです。
子どもの力を信じるか否かで、未来が変わるのです。
他力では駄目なのです。
自分で何とかするぞという気概が大切なのです。
現在コンパス本部では、現在20余名の小学校就学前のお友達のご支援をさせて頂いておりますが、恐らく来春には少なくとも9割近くの子供達が、保護者の方々の希望通り普通学級へ進学出来るのではと確信致しております。決して大げさな表現ではございません。生活年齢も精神年齢も文句なく伸びているのです。多動の子ども達が静かに取り組んでいるのです。言語を獲得しているのです。でもこれは保護者の支援あっての事です。親の愛情があっての事です。
お子様の力を信じてあげて下さい。
信じて、行動して下さい。
自ら率先して指導して下さい。
可能性を見出して下さい。