NO198.気持ちの読み取り…自閉傾向から2

観察と代弁

状況と、お友達の態度、言動がアンバランスな怒られているのに、ニヤニヤ笑ってしまうような挙動が見受けられるお友達に対してどう促すか勘案してみたいと思います。

多くの場合、注意を受けたり、しかられている際、お友達は弁明したり、うまく謝る事ができません。まず、態度で示したり、気持ちを伝えたりすることが困難であるという事をしっかりと理解しなければいけません。

伝える術がなかったり、通例想定している反応が異なっているという事をよく理解頂かなくてはなりません。

療育相談の中で一番多いのが、
「私の育て方が悪かったのでしょうか…」というものですが、決して躾の問題等ではないのです。保護者の責任では一切ありません。とくに何らかの問題で怒られたりしているとき、ヘラヘラ・ニコニコしてしまうのも躾の問題ではなく、表現方法が違うためなのです。

子ども達の言動には全く悪意はないのです。ついニコニコしてしまうのは、わざとしているわけではありません。多くの場合は、それまでの体験から状況打開するための行動です。

それまでの経験で謝る事も言い訳する事もできず、通例では泣きだしたり、わめいたり、奇声を発したりする中で、唯一の解決策として得た解決策として得られた方法が、怒りの表現ではなく、ニコニコするという逆の対処行動をとる事により解決策を見出した結果であるとご理解頂きたいと思います。

このような意表をついた行動は、それぞれお友達の生育過程により様々なバリエーションとなって顕在化する事となります。多くの場合その行為によって周りの言動が中断してしまったり、空気が一変したりというような結果が得られる言動に終始する事となります。

では私達はどう対処するべきなのでしょうか?


私達は心優しい魔法使いにならなくてはなりません。

①愛情を示す事です。
まなざし、声音(こわね)やさし愛情を持って声掛けし、接する事が大切です。本質的にお友達に対しての愛情がなければ伝わりません。子どもは敏感です。私達の心を感じ取る事が出来るのです。療育支援をする場合相性の良い指導者でなければ快方に向かいません。人選もとても大切です。

②気持ちを代弁してあげるのです。
どう感じているか気持ちを読み取る努力をする事。
「〇〇って思ってるよね…」「〇〇したいんだよね。」しっかりと観察していけば自ずと答えが見えて来ます。「本当は悪いって思ってるよね。」正しい方向に導ける言葉で言動を促して下さい。決して悪意を示す言葉は使わない事も大切です。正しい言葉、きれいな言葉で促す事を忘れないで下さい。

③魔法の言葉は「ご一緒に」
謝りたくても、謝れない、ごめんなさいという勇気がなかったり、恥ずかしかったり私達が思う以上に子ども達の心の中は複雑なのです。背中をそっと押す魔法の言葉は「ご一緒に…」です。

④正しい言葉で復唱・模倣させる。
上手く発語出来ない場合を除いて、どうしたら良いか例示したうえで復唱させましょう。
「私はかしこいから、〇〇出来ます。」のように、正しい言い方を模倣させて下さい。

繰り返し、繰り返し諦めずこの4対応を行えば、正しい言動に導く事が出来るのです。
毎日休むことなく取り組んで下さい。

貴方も心優しい魔法使いになって下さい。