NO138.選択的対応
残暑お見舞い申し上げます
台風一過、猛暑が各地で続いております。
どうぞ皆様ご自愛下さい。
インド、ニューデリーから帰国した職員もこちらの方が都心部は暑いかもと漏らしておりました。(因みにニューデリーは36度平均です。)
お世話になった先生を訪ねて竹田(竹田の子守唄・滝廉太郎 荒城の月)に行ったあと、水郷で有名な白水の滝に行って参りました。
白い清らかな水と書いて「泉」となります。
水も溜まってしまうと、いつのまにやら澱み(よどみ)を生じ、沼になってしまいます。子ども達への支援も、ドンドン上の滝のように、支援をし続け、この沼の状態から澄んだ水の状態に導く事が大切だと、滝を前にして職員と、しばし涼をえて帰りました。
別府に行く?湯布院へ行く?
質問は二者択一方式で…
二者択一は、実は質問者側にイニシアティブがある質問手法です。実はよる所は幾らでもあるのです。二者択一で質問をする事で、条件を限定しているのです。
意中の異性に対してデートを申し込むとき、「お食事に行きませんか?」とのような質問は答え方がYesかNoしかないので、期待に反して応えがNoになるかもしれませんが、「中華が好きですか?フランス料理が好きですか?」と質問すると、どちらか選択しなければならなくなります。
仮にどちらも嫌いとなると、次の二択に移ればよいのです。答えがフランス料理であれば、「今週はお暇ですか?、それとも来週は…」となり、来週であれば、何時にと打ち合わせ、適切な質問に変えるだけで、意中の方とデートする事が出来る事となります。
「来週はお暇ですか?」ではデートは露と消えるかもしれません。
子ども達への指示も同様です。
「静かにしなさい…」というのは簡単ですが、これは命令であり怒りや反発を招きかねません。「静かにするそれとも、教室をでる?」と聞くと子ども達は選択をする事となります。命令でもないので腹も立ちません。教室を出るを選択し、それでもさせたい課題があるとすると、「〇〇をした後に、課題をする?それとも課題をした後、〇〇をする?」と質問をします。この質問は、いずれにしても課題をしなければ帰れないという意味を含みます。
二者択一を駆使すれば、一定の理解を示す場合かなりの指導的効果を得る事が可能です。何よりも素晴らしいのは、どちらにするか子ども達が良く考える事です。どちらが良いのか、どっちが好きか、自閉症のお友達等、最初は選択に時間が係る場合がありますが、徐々に決断のスピードもあがってきます。
考える力、自分で選択する力、選ぶ事は計り知れない程重要な作業で、この繰り返しにより脳内を活性化させる事も可能であると考えております。3択は一定の力がついてから難度をあげれば良いと考えております。
まずは、ご家庭でも、支援施設でも、二者択一で指示を出してみて下さい。指示を出すにも要領を得なければなりませんので熟達するまでは、試行錯誤が必要です。くれぐれもYes,NOの出ない質問の仕方を体得して下さい。
「両方×」という場合、「じゃあどうするの?」の質問は最悪ですので、誘導出来る次の二択を用意して下さい。二択が出来るという事は、プラスマイナスが理解できるという事です。好き嫌いがあるという事で、皆損する事は嫌なのです。いい子が好きで、みんな自分の事は、世界一優しくて、世界一いい子だと思っています。そこを意識させながら誘導を行って下さい。
お得な話は、スパイスと一緒で、選択肢を狭める働きがあります。〇〇すると〇〇になるよ…OR〇〇できるよ…と得になるように誘導出来れば上級者です。そして何より選んだら「めちゃくちゃ褒めて下さい。」正しい答えの場合程滅茶苦茶褒めて喜んで下さい。「わー嬉しい先生、〇〇ちゃん大好きチュー」と言うと、嬉しくて抱きついて来る事も少なくありません。
「さすが年中さん、お姉さんになったね…」私達がニコニコすると、本人も嬉しさ倍増です。間違った選択の場合は、「えーいいの?」と驚いて見せたり、ガックリして見せると、前言撤回してくれる事も少なくありません。対応次第で主導権は常に掌握した上で療育指導が可能です。
一見難しそうですが、慣れると実生活にも多用が可能です。どうぞ意識的に試してみて下さい。
皆様の健闘を祈ります。