NO313.発語の伸び…その2
NO313.タイミングをはかる前…
保護者心得 【言語】 【ダウン症】
膠着状態を脱するためのタイミングに関してお話する前に、前提条件を勘案したいと思います。
殆どの場合、最初に経験する膠着状態に入った際、一つは、ポジショニング(お子様との位置関係・人間関係)が大切となります。
指導が始まる前に、ポジショニングがとれていれば、問題がないのですが、適切な関係を築く前に、支援がスタートし、そしてタイミングよく、スムースに成長がみられている間は、微妙な位置関係を本人も、支援者も気にしないのですが、成長が止まった時、それが勃発してしまいます。
やさしかったお母さんや、お父さんが、怖い先生になる事が一番問題です。
家庭の中に強権をふるう保護者がいる場合、適切な人間関係が出来ていなければ、子供たちは委縮し、二重拘束にかけられて発語しなくなってしまいます。
間違えたら、叱られる…叱られるから…言わない…この悪循環に陥ると時には退行してしまいます。
ポジショニングに関しては、まずはボス(指示者)が誰であるか明確にする事。
指示者の指示に積極的に臨む姿勢が大切となります。
失敗しても、言えなくても、叱らない、あきれた顔をしない、落胆した様子を見せず、悲しい雰囲気を作らない。
基本的に指示が通るのであれば、「応援団に徹する」事が大切です。
魔法の言葉は「大丈夫❤」なのです。
楽しい雰囲気も必要で、とても大切です。
私達自身、何等かの事情でイライラしていたり、疲れていたり、眠かったりすると同じ作業でも取り組みたくなくなります。
気持ちをほぐす事も大切です。
疲れていれば、ゆっくりさせてあげる。
眠ければ、一旦休ませるか、軽い運動等をさせて眠気を覚ます。
イライラしているときは、その原因を見つめ、原因を解決してから、あるいは気持ちの転換点を見逃さず指導に入る事が大切です。
嫌な時に、無理やりさせるのは、学齢が低いほど逆の結果を出してしまいます。
肩の力をぬいて、自分でしたくなるようにもっていく事が大切で、このタイミングを見逃さず適切な支援を行えば、膠着状態を脱却できます。
仮に1度で脱却出来なくても、笑顔で、もう一度、日を変えてもう一度、環境設定が出来た段階で繰り返し、繰り返しアプローチをする事でクリアーする糸口が見えてきます。
次回は、タイミングが得られた時の声がけに関してお伝えできればと思います。