NO110.脳の秘密 その2
ニューロンを繋ぐシナプスの秘密
私達の神経回路は、ニューロンどうしをつなぐシナプスにより情報伝達を行います。(改)脳の秘密 その1で説明したように、脳内の結合は当初未接続であり、存在はしても使われていない状態です。私達は、生活する環境に併せて、新たなシナプスを作りだしたり、減らしたりといった作業を脳内で行う事となり、減らす作用を可塑性と呼び、研究者によればこれこそ、人間らしさを醸し出す仕組みではないかと推測されています。
シナプスは2種類でした。
ニューロンからの情報を伝達するシナプスですが、かつては1種類と考えられていましたが、現在の研究では、電気的シナプスと、化学的シナプスに分類されるようになりました。
私達の脳は化学的シナプスでほとんど構成されており、そのシステムはアセチルコリンや、グルタミン酸等で組成された神経伝達物質を持つ小さな包みで、現在の研究では、30ナノメートル前後(±10ナノメートル)の隙間を持っており、その間を伝達物質が分泌されて信号を送るため、電気的シナプスに比べて伝達に時間かかるとみられております。※電気的シナプスは、伝達がイオンによっておこなわれるので、非常に早く情報が伝わるとみられています。
増えたり減ったり…でも増やしたい
阪大大学院の研究で、シナプスの数を計測し、誕生時のシナプスと、新たに組成されたシナプスと、減退したシナプスを調査されており、その後の研究では、環境や経験で、成人でも増えたり、減ったりすることが認められてまでになりました。
これらの結果を踏まえて、被験者に併せ適切な刺激や経験を与える事により、接続を増やして行く事が可能であると私達は結論づけるに至っております。
A脳内の血流刺激
B環境の刺激
C視覚的刺激
D言語的刺激
E音声学的刺激
F人的環境刺激
I身体運動的刺激
J感覚運動的刺激
K嗅覚からの刺激
L接触からの刺激
様々な刺激を如何に継続的に与えるかが、接続のポイントです。一度で刺激が伝わるはずはないのです。何度も繰り返す必要性があります。やったからすぐに身に付かないのと一緒です。でもAだけすればよいわかでもなく、Aだけで〇〇が得られると確定されるわけでもないのです。
でも少なくとも、多くの研究の結果では、刺激をあたえなくなると、可塑性のおかげで、力が薄れるという事は断言できるのです。
逆に考えれば、AからLまで全ての刺激を与え続けていると、漏れがないと言えますし、1度で身に付かなくても100回目指せば(※回数は例えです。)全てをゲットできる可能性もあるのです。
繰り返し、毎日全部諦めず刺激し続ける事で、脳内結合を促し、活性させる事は可能なのです。私達の多くの成果報告ができるのは、様々な支援により、結合出来ているからこそ獲得した能力であると断言致します。
私共の経験則ですが、子ども達の能力は、オリンピックの輪のように、それぞれ分離しており、その働きも、ある成長点を過ぎるまでは統合できておりませんが、ある段階に達した時点で、突然反応するような事例が、沢山あります。ともすると期待以上の成果に跳ね返る事もありますが、成果が得られるまでどれだけ長く支援者が辛抱して刺激を与え続ける事が出来るかが、成長への鍵であると考えられるのです。
※私達は創立30年目となり、発達障がいのお友達への指導経験から申し上げられる事であります。
ちょっとした魔法をかけて、取り組めば脳内の成長を獲得出来るのです。魔法が知りたい方は093-475-0449までご連絡下さい。