NO146.現在から、過去と未来へ
多くの子ども達は、「今」の時間で生きています。通例私達は、過去の流れや将来(未来)の為に今現在努力する事を行うのですが、多くの場合子ども達は、「今・現在」の状態しか理解が難しいとご理解下さい。
一定の言語能力が培われた段階からは、
今どうすれば、良いのか。
何故今、努力しているのか。どうして今努力しているのか。
努力するとどうなるのか。
どんな楽しい事があるのか。
何が今大切なのか。
今まで何を頑張ってきたのか。
何が出来るようになったのか。
これから何が出来るのか。お母さんやお父さんは、何故あなたのお世話をしているのか。
お母さんやお父さんは、あなたに何を期待しているのか。
お母さんやお父さんは、何が出来ると信じているのか。
これを繰り返し、繰り返し心に染み込むまで話聞かせて下さい。
今と未来、今と過去を繋げて下さい。
これからの自分の姿を描かせて下さい。
想像出来うることは実現可能なのです。
今しか知らないと、楽しいか、苦しいかだけが判断の基準となります。
気分次第で、出来たり、出来なかったり波が出てしまいます。
今の努力が未来に繋がっている事を教えて下さい。
教え諭す事で、更なる成長が獲得出来るのです。
自信がなくなっても、過去を振り返り何が出来るようになったのか、その子の実力を認め出来た時の事を反芻させて成功体験を繰り返し思い出させて頂ければと思います。
今が未来に繋がる事を教えて下さい。
過去が今を支えている事を教えて下さい。
口癖になるほど、繰り返し繰り返し語りかける事によりある日突然変化がみられるようになります。
翌日起こる事もあれば、1週間、1ヶ月、3ヶ月後に顕在化する事もあります。人によって様々ですが、必要を感じ、その繋がりが理解できると子どもの姿勢が変わります。
高学年になると、予想される未来は暗く怖くて見れないのです。希望の持てる未来像や、あるべき姿を話聞かせる事で、安心して現状を知り、自ら進んで努力する事が成長に繋がります。
付加要件として支援者(保護者)との絶対的信頼が最低要件となります。ここで申し上げる絶対的信頼は、泣くから子どもの言う事を聞くのではなく、悪い事は、悪い、良いときは褒める。「〇〇しようね」と言ったら素直に従うという関係が必要です。
その為にはお子様とのポジショニングが大切ですが、慌てず出来る事から積み上げて頂ければと思います。
専門的に言うと等身大の自分である「現実自己」となりたい自分である「理想自己」との間に差があればある程、その差が苦痛に変容します。
しっかりと声掛けができれば、その差を細かく分類してあげる事が出来るのです。
小さな階段はのぼりやすいのです。
因みに、「過去は常に新しい」という考え方があります。現在が過去のイメージを変容させ事があるのです。例えば、厳しい指導や修行の後、ある技術を習得したり、試験に合格できたりすると、怖い厳しい先生という過去のイメージが、先生の御蔭でと180度転換するのです。昔いじめっ子だった子と、同窓会であうという事があり、会うのは嫌だなと思いつつつ参加し、酔った勢いで昔はノートをとったり、靴を隠したり一杯いじわるして…と詰め寄ると、ごめんね実は君の事が好きだったの…と言われたりすると悪感情も180度転換してしまうのです。過去は常に新しい、森田正馬先生が考案された森田療法です。お時間のあるとき一度ひも解いて頂ければと思います。過去が新しくなると未来は何か懐かしい物に変容するのです。
今の過ごし方で未来も過去も全て変える事が出来るのです。未来は支援者の手の中にあります。私に騙されたと思って、繰り返し言葉のシャワーを浴びせて下さい。
暫く心理学的考察をもって記事を進めたいと思います。