NO192.差別発言…無菌状態から思う事

年末、年始とドタバタする中、子ども達を差別したり、私達を敵視したり、子ども達の成長を愚弄するというような、残念な事案がありました。

正直その場にいたら、私も大爆発しただろうと思うようなお話でしたが、幸か不幸か、現場におりませんでしたのでそれ以上の大問題になりませんでしたが、「世の中にはこんな酷い人間もいるけれど、決して負けないぞ」というメッセージを込めて、場所と時期、実名は控えてお話したいと思います。

現在施設開所を4県に渡り準備しております。そしてある施設でまだ何も起こらぬうち近隣の関係者から、「お宅に通う子ども達は、まともでないから…駐車場に柵を云々」というような酷い申し入れがありました。

現場におりました担当者は、「柵???」「まもとでない…」とその発言に耳を疑ったそうです。驚きと怒りは想像に余りある物がありました。


阿蘇山の火口ですが、関係者の怒りは大噴火状態でした…

その場にたまたま地域の御世話役が居合わせられたおかげで、その方を叱りつけ、その場を収められましたが、それだけでは関係者の怒りはおさまらず、一時は法的対処並びに、行政的な指導まで検討せざるを状態にまで発展致しました。

聞きつけた、当事者の親族の方が、何度も謝罪にこられ、鉾を収める事となりましたが、一時は騒然となる事態で、悲しさと怒りが交錯する年明けとなりました。

現在は何とか平静に戻りましたが、悲しい事ですが、これは現実問題であり、このような問題に直面した時、挫けずに毅然とした対応が必要になってくると考えます。

このような差別発言は、決して許される事ではございませんし、私達は、このような差別のない社会を作る事にも取り組まなければなりませんが、今回の件を通じて、子ども達を守るために私達はいろんな意味で、強く、逞しくなる必要性があると認識致しました。

相手を糾弾する事も必要ではありますが、療育支援者として、その怒りを少しでも子ども達の支援に向ける事が真の解決に繋がる糸口ではないかと考える事となりました。

このような酷い事を言われたのは実に十余年ぶりで、思わず報告の電話をききながら、余りの怒りで振るえてしまいましたが、これも私達の周りの人達が如何に障がいに理解が深く、人間的にも優れた人達に囲まれていたのだと気付く事にもつながりました。

今まで無菌でありすぎたのです。そんな無菌の中で、いろんな見解の違いなど些細な事を気に病んでおった事に恥ずかしくなりました。私達は在りがたい事に、こんな悪意を忘れてしまうほど、周りに恵まれていたのだと気付かされ世の中は決して無菌ではない事を改めて思い知り、私達は子ども達の為、保護者の為により強くならなくてはならない、何があっても心が折れてはならないと強く感じる事件となりました。

石川五右衛門ではありませんが、「浜の真砂は 尽くるとも 世に〇〇の 種は尽くまじ…」差別発言は許されるものではありませんが、残念ながら、私が死ぬまで、そして子ども達が大人になっても、差別はなくならないと思います。

無くさないといけませんが、差別主義者を駆逐する事は非常に困難で、私達が出来うる事は、どんな中傷にあっても、子供達の為に強くあらねばならない、子どもの成長を信じ、療育支援し続けなければならないと決意を新たにする事となりました。

私も昔とことなり、環境の整った中でのボランティアしかしていない事に気付きました。運動に行っても、子ども達とスイミングに行っても、公園で遊んでも、周りには理解者が一杯いたのです。差別の目を忘れてしまうような環境の中でしか子ども達と一緒にいなかったのではとようやく気が付きました。

買い物に出た時、外出した時、見知らぬ人からジロジロ見られたり、電車の中や、バスの中で 何やらこそこそ言われた気がしたりした経験から遠ざかっていたのです。

一緒にいて子ども達が奇声を発したり、蹲ったり、飛び跳ねたりした時、奇異な目で見られ悔しい思いをした事もございましたが、わかっているようで、知っているつもりでしたが、いつの間にやら心が錆ついてしまい、社会の厳しさや現実を忘れ、保護者の辛い気持ちをも、何処かに忘れて来てしまっていたのではないかと反省する機会となってしまいました。

奇声を抑制する方法、ジャンプを代替え作業で消化する方法、社会性を育み共同歩調がとれるような指導、様々な指導方法に注視しすぎて、心の免疫がなくなってしまったようで、悲しみを共感するような心の余裕が消えていたような気がしております。

先月から2度にわたり高松であった「赤ちゃん体操」に私共の職員が参加させて頂いたのですが、そこでは体操が始まる前にお母様方が集まって、仲良く情報交換されたりするような「いこいの時間」が沢山あり、担当者からも是非そんな会のお手伝いが出来ればと相談がございました。

出来れば、今年中に様々な悩みを相談したり、共有できるような保護者の会等のお手伝いを開始し、様々な療育相談や、発達障がいに関わる情報を交換できるようなサイトの構築も行いたいと考えております。どうか応援お願い致します。