NO206.自閉傾向のお友達の心の成長…獲得編①
NO206.我慢が出来て…
我慢する事が出来るようになると沢山のご褒美がもらえます。そうです周りの人達から沢山褒められるのです。褒められれば褒められるほど我慢の難度や時間が向上していきます。
我慢した先にご褒美があるかないかは非常に大きな問題であり、問題の成否を分ける大きな問題です。
COMPASSでは何度も何度も褒めてあげ、そして皆で喜びます。保護者にも内容を伝達し更に第3者話法をもってさらに我慢した上に褒められるという事を強化していきます。ここに至るまでには幾つかの魔法をかけておりますが、それはまた次回にして、その後どうなるのか話を進めてみたいと思います。
日々の習慣化が大切なのです。
そうです、様々な機会において待つ体験を繰り返します。一番根幹の食事においてもこれを貫きます。COMPASSでは先生が1番ですので、おやつも先生が1番先に口にします。
保護者が同伴の場合は、2番目に保護者が口にします。そしていよいよお友達が食します。
この繰り返しの指導もとても大切です。
ご家庭でもおじいちゃんが1番、お祖母ちゃんが2番、お父さんが3番、お母さんそしてお友達のように順番を意識した生活を実践して頂きます。いろんな場面で待つ事を体験し実践させるのです。
するとお葬式でも、結婚式でもじっと静かに待つことが出来るのです。病院でも待合室で静かに待つことが出来たのです。立ったりしゃべったり歌ったりウロウロする事もなく、保護者の指示に従う事が出来るようになるのです。
私は待てる…
現在、指示を守り、我慢する事を体得しようとしているお友達が通所されておられます。毎日の指導の中で、実に様々な能力を獲得する事に成功されています。以前は暴言を吐く、暴れる。机をガタガタさせる。投げつける。寝ころぶ、逃げ出す等の行動がありましたが、今はそれらの問題行動が表出する事は現在ほぼなくなっておられます。
お友達の場合は集団指導で、学ぶという姿勢を周りに認められるようになったうえで、個別の指導がスタートする事となりました。個別指導がスタートして実質2ヶ月でお友達の態度、行動は激変する事となります。
〇〇する前に◆◆してからね。と1課題の克服からスタートしましたが、いまでは2つから3つの課題を克服する事が出来るまでに精神的にも大きく成長する事が出来ました。
そして奇跡が起こりました。
〇〇したいどうしても〇〇したい、その衝動をじっと我慢し複数の課題を克服できるようになったのですがその日は、〇〇したいです。と口に出すほど強い欲求があったのですが、
それをじっと我慢しているとき、突然立ち上がったのです。傍で見ていたお母さんの所に駆け寄るのかと思ったのですが、お母様の方を向いて、「ティッシュ頂戴」と言ってティッシュを受け取り涙を拭いてさらに課題に取組み最後に〇〇するに至ったのです。
私達の想像以上の心の葛藤があったのではないかと思われるのですが、じっと我慢し涙目になるほど我慢しそして〇〇する事を獲得したのです。
泣くほど我慢したのです。
泣くほど我慢できたのです。
この記事をお読みの方は泣くほど我慢されたご経験はございますでしょうか?私は記憶にある限りでは、泣くほど物事を我慢した経験はありません。ちょっとした事でも我慢できなかったお友達です。直ぐに暴れたいたお友達です。暴言を吐き、物を投げつけていたお友達です。
魔法がかかるまで繰り返し声掛けし、応援して参りましたが劇的な成長を遂げた出来事でした。今後このお友達はいろいろな事を克服する事が出来るようになると考えます。
恐らく2ヶ月もすれば多くの問題行動を克服し自制する事が出来るようになるであろうと、担当指導者一緒に祝杯をあげる事ができました。