NO216.飛び跳ねる事を止める方法

100名を超える沢山の方々から「飛び跳ねたりする事」に関してのご相談メールを沢山頂きましたので、今回はCOMPASSの魔法の療育手法をお伝えしたいと思います。

今回は事例をもってより具体的な指導方法をご紹介いたします。

多くの療育支援者の方々もお読み頂いている事と存じます。活動されている施設での新たな取組み方として是非導入頂きたいと思います。最新の支援方法であり、多くの成功事例がある手法です。自信をもって御取組み下さい。

保護者の方々においては、今回お伝えする支援方法と真逆の指導を提唱されてる施設に通っておられる方が殆どであると思います。施設にお願いしても支援方法に固執し、最初から無理と思いこまれている支援者も少なくありませんので、そのような方をあてにせず、どうかご家族自身の手で支援してみて下さい。手順に従って頂ければ多くの場合必ず解決できると思います。

NO216.代償行動の極意と言葉の力


嬉しい事、不安な事等があるなど、感情がゆすぶられた時に、ピョンピョンと飛び跳ねたり手を叩いたりされるお友達がいらっしゃいます。

小さな子ども達が嬉しくてピョンピョン飛び跳ねる様子に似ているので、小さい時はさほどきにならない事もあり、つい見過ごしてしまう事もありますが、4歳、5歳と年齢があがり気付かれる事例も少なくありません。

子ども達の心の中は思いのほか複雑で、何故手をたたいているのか、どうして跳ねているのか、理由がわからず、見通しのきかない迷路に迷い込んでしまわれてしまう場合があります。


子ども達の心は複雑で、見通しのきかない迷路に感じる事も…

改善が困難だからって…


園や、学校で飛び跳ねないよう指導を受け、抑制がスムースで、改善が容易な場合はよいのですが、そうでない場合、その行動を見過ごすのか、それとも抑制する方法を模索するのか、施設によって指導方針も2択されているのが現状ではないかと思います。

何度か指導しても改善出来ないと諦めてしまう事例が散見しておりますが、まず諦めが早すぎるという事があげられると思います。僅かな指導回数で支援者自身が諦めてしまったり、保護者の心が折れてしまったりして、子ども達を取り巻く支援者がその行為を肯定しだすと次のような事態に陥ります。

「受け入れる」は悪魔のつぶやき…


行動抑制が出来ないと、それを認め、それが自然の姿であると考えたり、あるべき姿を受け入れるとか、自然な姿を受け入れる事が大切というような、美しい言葉を使って、出来ない事を肯定されようとしてしまう事がよくあります。

出来ないから指導もしない、受け入れ見守るだけ、子どもを理解するように努めるだけでは何も問題は解決出来ないと考えます。また本来受け入れる事と、何も支援しない事は違うと私は考えますが、中には何もしない事が大切であると断言される方もおられ心配の種は尽きません。

そのような先生方がおっしゃるには、「教育すると、家族関係が崩れ家庭が崩壊する」のだそうです。何を根拠にそんな事を吹聴されているのか理解に苦しみます。どうしてそのような戯言をおっしゃているのか考え込んでしまいます。

そのような戯言を盲信している保護者の方達が、その後どれほどご苦労される事になるのか話を聞くたびに、子ども達の成長の機会を奪ってしまい、取り返しのつかない事にならねば良いがと、常々心配しております。

子ども達を理解する(受け入れる)事も大切ですが、受け入れる事と何もしない事は違うという事を改めてご理解頂きたいと思います。



権威に惑わされず、実績を見る事で本当の事がわかります。

ストレス対策はハードルをあげすぎない事


極端な指導例では、「ストレスが溜まるから…」とおっしゃる方々もおられますが、抑制がきかず、周りから何かある度に、奇異な目で見られ続ける事とどちらがどちらがストレスが溜まるというのでしょうか?これらの考え方は非常に刹那的で、将来を考えていない無責任な支援者の思考であると私は考えます。

表現が露骨になりますが、結果的に何もしないという事ですので、将来社会的に適応した行動は困難となり自立の道が果てしなく遠のきます。小さい間はコントロールが出来ても、成人し力も強くなった段階で、どうしようというのでしょう。私は30年前から激しい家庭内暴力の現場に数多く介入しましたが、それは悲惨な状況で自殺にまで追い込まれたケースもあります。支援を行ってはいけないのです。諦めては駄目なのです。

ストレスが溜まるのであれば、ストレスが溜まらない方法を講じれは良いのです。高すぎるハードルを越えようとさせるのでストレスが溜まるだけで、改善がみられない。ハードルを低くすれば誰でも容易に超える事ができ、その達成感が次のハードルを越えさせす原動力となるのです。

柔軟な竹も一度に曲げようとすれば、割れてささくれ立ってしまいます。反動は非常に大きく怪我をする場合もありますが、ゆっくりと、ゆっくりと時間をかけてとりくめば、180度反転させる事だって出来るのです。

タバコをやめようとするとき、ガムを嚙んだり、パイポや電子タバコ等の擬似喫煙具でストレスを軽減させたり、ニコチンのきついタバコから、軽い物に変えて、本数を減らし、コーヒー等の嗜好品を辞めてお茶にしたりして、徐々に禁煙する方法もあります。ニコチンパッチ等の医薬品を使う場合もありますが、これもタバコを吸いたいという欲求を抑えるためつまりストレスを軽減させるために使用されます。

代償行動と言葉の力で…


タバコを吸いたいのを、ガムに置き換える事を代償行動といいます。では飛び跳ねる行為の代償はどうすればいいのでしょうか?

取り組み方はその手順はお友達の状態によって異なりますが、平均的な事例としてお伝え致します。

条件を整えれば、まっすぐに流がかわります。

第1段階
ピョンピョン跳ね続けてしまいますので、まず回数に制限を与えます。「ドキドキする?じゃあ10回跳ぼうね。」手をとってジャンプさせてあげます。でも10回跳んだら終わりです。※この段階までに、基本的にポジショニングは終わっていなければなりません。

第2段階
10回で落ち着くようになったら、回数を減らしていきます。2度目の目標は半分の5回です。次は3回と減らしていきます。タイミングをはかる必要性はありますが、指示した回数で落ち着く事が出来た時が減らすタイミングです。

第3段階
第2段階の途中で、手をつなぐのをやめて、途中からは、背面に回ります。後ろから抱きしめるながら一緒にジャンプしてあげます。これでジャンプ回数を大幅に減らす事に成功した事もあります。

魔法の言葉は
※この段階の声掛けはとても大切です。「5回跳んだら大丈夫…」「10回跳んだら頑張れます。」「私は、ぼくは大丈夫です。3回跳んだら落ち着きます。」

第4段階
ジャンプを屈伸運動に変えていきます。簡単なスクワットでも大丈夫です。お友達の身体能力に合わせてジャンプから軽度の運動に変容させます。

魔法の言葉2
気持ちを言葉で表す事が苦手ですので、その言葉を一緒に行ってあげます。「ドキドキしたけど大丈夫。」「ワクワクするけどじっとできます。」「悲しいけれど我慢できます。」この気持ちを言葉で代償させる事も大変有効です。

第5段階
ここまでくれば、殆ど言葉がけだけで行動を制御する事が出来ます。あとは時間との勝負です。代償行動も最小限になります。

「深呼吸を3回しましょう。」「椅子に座った時、腿も下に手をさしこみましょう。」「ちょっと目をつむりましょう。」ここまでくればもう安心です。

日々の取組みの中で更なる成長を遂げる事が可能となります。
COMPASSではこれらの手法を多用して子ども達の支援にあたっています。
繰り返し支援し続ければ必ず成長を遂げる事が可能です。
どうかご自身の力を信じて御取組み下さい。
沢山の成功報告をお待ちしております。