NO258.盗癖に関しての考察…

NO258.最初の対応が…
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ついお友達のおもちゃを盗んでしまった…最初はほんの出来心。

盗むというより、こっそり借りたつもり…欲しい物を手に入れたいという欲求。

自らの欲求を満たそうとした時のスリル・妙な感じの達成感・そして罪悪感。

繰り返し物をとってしまう子ども達…はたして罪悪感が欠如しているのでしょうか…。

強いストレスから問題行動を引き起こす事もあります。

家族からの暴力、無関心、愛情の欠如が大きな要因ではないかと考えます。

盗むより欲求を満たす方法がなかった…心にあいた大きな穴を埋める方法がなかったのではないかと考えます。

良い事か、悪い事かはどの子も基本的にわかっています。

見つかると殆どの子ども達は反省しますが、忘れてしまうのです。

わかっていたのですが、手に入れるという衝動を、その刹那、制御出来ない子ども達がいるのです。

学齢が高くなると心の制御を手に入れるには忍耐と努力と長い指導年月が必要です。

盗癖が改善されないままですと、再犯率は13%前後となり年齢が上がるに従い、就労の問題も影響し社会復帰が困難となってしまいます。

 

まず平素から



道徳観念の定着が必須条件です。〇〇する事は良い事か、悪い事なのか体に染み入るまでしっかり諭して下さい。繰り返し、繰り返し、様々な事例を持って、年齢に適した言葉で教え導いて下さい。

 

お友達の物を持ち帰ったら…



現認したら隠さず返す事から始めましょう。「とった」と言うのではなく「間違えて持って帰って…」と説明すれば先様に対しての問題は大幅に軽減できるでしょう。そしてまず詫びる事謝る事も忘れないで下さい。

そしてお子様に対しては、きちんとした対応が必要となります。

おざなりの対応は最も良くありません。家族全員で悲しんで下さい。如何に悲しい出来事でるか理解させて下さい。

叱る事も大切ですが、愛している人に悲しまれる事は、叱られるよりも何倍も辛いものです。悲しい気持ちをしっかりと伝えなければなりません。人としてしてはならない事である事を教え導いて下さい。

簡単に許す事もおすすめ出来ません。

二度としてはならないと思うほどの指導が必要です。その為には、すぐに許してはいけないのです。本人が後悔しなければ、心から本当に反省しなければならないのです。

親として辛い対応ですが、ここでしっかりと杭を打たねば、またやってしまいます。

保護者との愛情関係が良好であれば、愛情を持って平素から接していれば必ず気持ちは通じます。

 

学齢があがると



成長すると共に、再犯率も低減しますが、激しい窃盗行為が続く場合、15歳以下の児童に対しては、児童相談所、行政、教育委員会、警察機関等の指導を受ける事となり最終的に児童支援施設への入所措置がとられる事となります。

365日施設での規則正しい生活を通じて再犯行動が起きないようにご指導頂く事となります。

残念な事にCOMPASSでも装置になるお友達がおります。担当した私共の職員も、学校の先生方も、保健師の方達も、児童相談員の方々も、警察の方々とチームを組んで何度も何度も何度も何時間も夜遅くまで話し合い、お友達にとって最善の支援方法を模索して参りました。

家出して、行方不明になったお友達を深夜遅くまで、職員総出で探し回った事もありました。クラスで盗み、部活で盗み、お友達の家でも、家庭でもやめる事が出来ず、事件に発展したり様々な事があり、協議に協議を重ねた結果、児童支援施設の入所が決定した事例がございます。

私達で出来る事、考えられる事は全て施しました。おかげでCOMPASSでは、のびのびと素直で問題行動もなく、他のお友達にも優しく接する事が出来るのですが、一歩外に出ると別人になってしまっているようで残念でなりませんが、中学、高校と児童支援施設でご指導頂き、社会性と正しい価値観を身に付けられればと願っております。

ちょっと借りた…ポケットの中に、カバンの中に見知らぬ物が入っていた時、偶然なのか、そうでないのかしっかりと見極めて下さい。そして適切な対応をお願い出来ればと願います。


おもちゃの一片、タイヤ1つから始まります。気を付けて見守って下さい。