NO269.頻度と成果…
NO269.適切な療育回数と時間は…
【言語】 【ダウン症】 【自閉】 【LD】 【多動】 【注意欠陥】 保護者心得
よくあるご質問の中で、療育回数や、時間に関してのお問合せがございます。
それらを考えるには生活年齢、精神年齢、それぞれの特性と家庭環境を加味して勘案する必要性があります。
長時間すれば良いという物ではありません。生活年齢が低く、幼い場合、体力の面も考えなければなりません。体力に合わせて、指導時間を考慮する必要性があり、何事もやりすぎると、良薬口に苦しではありませんが、プラス要因がマイナスに転じる事もありますので個別支援計画を立てるときには慎重な考察が必要です。
小学校就学前で、幼稚園や、保育園に通っていない場合朝からお出でになります。保護者のお仕事のご都合等で、お昼にお返し出来ない場合は、食事をとったあと、お昼寝をしたりと後半はレスバイト的な時間に移行していきます。
物事には適切な時間という物があります。何でもやれば良いというものではありませんが、一般的に考えられている時間とは全く違います。
学ぶという事には圧がかかりますので、適度な圧でなければ子どもの成長を阻害してしまう可能性もあります。ちょっと大変だけど、頑張れる量や時間、感じる難易度も子ども達一人一人で違います。
やりすぎれば心が折れてしまいます。
心が折れて学ぶ事を拒否するようになっては困ります。
少しづつ慣らす事が大切なのです。
この段階では性急さは失敗を招きます。
現在私が直接支援をしている年長のお友達は、年少の段階では、体力を考慮しお預かりしている時間は2時間少々でしたが、本人が感じる学ぶ時間としては1時間からスタートしていきましたが、遊びを通じてその間も支援し続けているのです。
施設に慣れ、人間関係も構築し、ポジショニングも終わって、もっと学びたいという欲求を満たし徐々に時間を増やします。
適度な応援や評価も必要です。
楽しくなければ続きません。
ダイエットに良く似ています。一般にダイエットに失敗するのは、ダイエットそのものが楽しくないからです。ましては1人で孤軍奮闘する場合は特にそうです。結果が見えてくるまで我慢できるか出来ないかで成否も変わるのではないかと思います。強い目的意識があって、獲得した未来があって我慢できる物であると思います。
生活年齢(生まれてからの実年齢)や精神年齢のより目的意識も持てない場合も少なくありませんので、得た物から喜べるような流れも大切な要因となります。
応援も不可欠ですので、ご家庭に先生が必要なわけではなく、応援する優しいお母さんや、お父さんが必要なのです。1人で頑張っているのではない環境が取り組む力に変わります。
出来ないと出来るの微妙なラインを引っ張る事が大切です。少しづつ、出来るを増やし、圧をかけるのです。
先の年長のお友達も、年中になる頃には、学ぶ時間も1時間から90分になり、遊びを通じての楽しい支援時間も増やしつづけ他のお友達と交わる事で、90分が2時間に、2時間が3時間に、気が付くと遊びもなくなり学ぶ時間が4時間を超えており、家庭でも支援時間を合わせると5時間以上となっているのです。現在年長ですがそれは不可能な事ではないのです。
この夏休みで学習指導時間も5時間を超え、前後の時間を勘案すると6時間以上の負荷をかける事となります。小さなお友達ですが、懸命に頑張っています。体力の問題もありますが、学ぶ機会を得た事で大きく成長出来ているのを本人を含め周りも喜んでいる状態です。
竹細工を想像して頂けると良いのですが、まっすぐな一本の竹を180度折り曲げるには、いきなりやっては駄目なのです。割れてしまいます。時間をかけてちょっとづつ、騙し騙し、ちょっとづつ慣れていくのです。そして気が付けば綺麗に折り曲げる事が出来るようになります。
ちょっとづつ成長を求めていくには、回数は不可欠です。しかし全国的にみますと、地域により支援日数も、1月から8日除いた全日療育を受けられる方もおられれば、行政の問題で、13日から14日までしか上限がない地域もあります。
COMPASSでは、遠隔地から来られていいらっしゃる方もおられますので、毎日通いたくても通えないお友達もおられますので、通えない日々はご家庭での指導を充実させる事が大切な要素になります。
COMPASSではどうしてそんなに成長成果がでるのかという問題にも絡みますが、一般常識的な事をしていても解決にはならないのです。通例の何倍も時間がかかるのであれば、時間を掛けて克服するほかありません。
療育に近道はないのです。
一般で言われる、子ども達の集中時間が5分だ15分だ、小学生でも45分というのは大きな間違いです。
多くの場合は、支援者の指導技術の問題で、子どもを引き付ける事が出来ないからそんな言い訳になるのです。子ども達の集中時間は膨大です。集中出来るように支援さえすれば多くの時間を味方にする事が出来るのです。
単純には仕事量と同じですので、時間と回数が多い程効果が出やすいのは自明の理です。月に1回とか、2回だけでご家庭で同様の支援が行われなければ改善は得られません。
施設に通えない時、日々ご家庭でどう取り組めるかが問題であるとお考え下さい。家庭も施設も含めての支援回数なのです。支援回数と支援時間が多いほど効果が出やすいとお考え頂いて良いと思います。
気を付けるべきは、体力に合わせる事、お仕事の都合で遅く帰ってくるので、夜遅くまで家庭で支援をされているのであれば、早朝に切り替え、出勤される前の朝の時間に取り組んで頂ければと思います。
保育園、幼稚園、学校に通っている場合は、園や学校活動で疲れているので、食事をしてお風呂に入ってしまうと子ども達の電池が切れてしまいます。そうであれば、早寝、早起きで、ご家庭では朝支援の時間を作ってください。
華々しい療育成果の裏には、ご家族のご協力が必要不可欠です。足りない時間は家庭で補うつもりで毎日御取組み頂く事を強くお勧め致します。
学ぶ事は休みはありません。
療育支援は仕事ではないのです。
食事と一緒で、必ず毎日御取組み下さい。
毎日通えるのであれば、出来る限り通って頂く方が成果を得やすいとお考え下さい。そして力を集中させて下さい。あれも、これもしてはならないのです。多くの子ども達はそれほど器用ではありません。
次回は集中の原理に関してお伝えしたいと思います。明日から夏本番です。遅い更新が更に遅くなってしまうと思いますがご容赦下さい。
遠隔地の方はこの機を逃さず早めにご予約をされて下さい。問題解決の糸口は、1日でも早く、はじめ、1日でも多く支援する事です。悩んでいるだけでは、後になってみると時間の浪費につながってしまいます。
アクションです。