NO26.レスパイトは大切ですが…

NO26.レスパイトは大切ですが…

福祉用語には、妙に英語が多く時々その意味に理解出来なくなる事があります。レスパイトという言葉をご存知ですか?レスパイトを辞書でひきますと「一時中断・小休止・猶予・一時預かり」というのが正確な意味で、レスパイトケアとか、レスパイト入院等という使い方がされています。

レスパイトケアを辞書でひきますとデジタル辞書等では、「介護の必要な高齢者や障害者のいる家族へのさまざまな支援。家族が介護から解放される時間をつくり、心身疲労や共倒れなどを防止することが目的で、多くデイサービスやショートステイなどのサービスを指す。」とあります。

私共のCOMPASS発達支援センター本部(中津支援センターを除く)では、療育指導では、基本的にレスパイトケアとしての療育活動はおりません。午前中の親子クラス等は、保護者と一緒に療育指導を行いますので全く該当致しません。降園後のアフタークラスでは、直接幼稚園や保育園にお迎えに伺って、療育指導後ご家庭にお送りしますので、その間がレスパイトケアに相当する意味合いもあろうかと思いますが基本スタンスとして本部センターでは、レスパイトの為ではなくお子様の進歩を促す為の療育活動に日々専念致しております。

(注 平成26年6月1日より開所致します。COMPASS発達支援センター中津ではレスパイトに対しての取り組みも実施致します。)

メール等のご質問で、レスパイトは反対ですか?という内容の物も見受けられますので今回はあえて題材として取り上げましたが、レスパイトそのものを否定しているわけではありません。

日々の介護に疲れてしまい、家庭環境が悪化したり、子どもにあたってしまったりという事も多々あろうかと思います。リフレッシュを図る家族支援サービスとしては大切な物であると認識しておりますが、レスパイトしなければならない程の問題を持ったまま成長させないように取り組む事が結果的には一番の解決策であると考えております。

特に私達の指導対象が小学校就学前の6歳以下の幼児ばかりですので、ストレスの原因を解決出来る可能性があるのであれば、何はともかくその原因追究し、原因の解決を目指す事が最も大切であるという認識しております。

今は大変でも、数か月後、半年後、1年後には問題の殆どを解決できるような取り組みこそその可能性をお子様が秘めているのであれば、最も大切な事ではないかと思います。

問題を解決しようとする強い意志、そして解決出来る糸口を保護者に示し、保護者のメンタル面での支援もしっかり行えば最終的にレスパイトの必要性は激減する事が可能であると考えております。

肉体的に重篤な問題がある場合は別ですが、最も多い言語遅滞や、AD/HD、自閉症等であれば幼児期であれば進歩と成長を促し多くの不安を消し去る事が出来ると認識しております。どのように進歩成長しているかは既出の記事に沢山記載しておりますので参考にされて下さい。

ダウン症のお友達であっても、咀嚼トレーニングを行い、手話を含めた指導を既に実践しておりますが、口を閉じ、口角(唇の端)が上がれば、健常なお友達と見分けがつかなくなるお友達もおられます。フェイストレーニングや、フェイスマッサージを行えば顔付も全く変わってきます。毎日の取り組みが大切で、夢を現実のものに変えてくれます。数年間に渡り、お子様の成長を見守りながら指導を続けてきた結果、上顎と下顎もきれいに揃われておりまさに継続は力であるという親の鏡であると感心した事例もあります。

大変でも、問題解決が困難であっても、ほんの少しでも進歩と成長が伺えれば、保護者のストレスは激減します。保護者の原動力になるのは希望と夢です。希望が見えてくれば、力も入ります。少しの間も惜しんで家庭でも療育指導に取り組もうとされます。

理想論ともいえますが、療育支援者はもっと指導スキルをあげるべきと考えます。子供の進歩を示せるだけの技術を支援者が身に付ければ、子供の進歩を予測でき、その将来をイメージさせてあげられるように、徐々に指導していけばレスパイトの為の療育時間は少なくなってしまうと考えます。

またレスパイト一時預かりとして、お子様を預かっているので、指導者が「何にもしない」「怪我だけさせなければそれで良い」と考えている見守りだけを行っている施設運営もございますが、その中でしっかりと子ども達の様子を観察し、問題の起因となる物を突止める事が望ましい支援者の姿ではないかと考えます。

見守っていても結果的には、何も解決出来ません。成長もしません。DVD等テレビを見せ続けるだけの、その場だけを穏便に過ごす支援が果たして正しい事なのでしょうか?本質的な療育支援は、単なる託児目的であってはならないと考えます。

結果的に一時預かりで、保護者に時間的余裕が生まれのであっても、預かる療育支援者はその間少しでも進歩成長を促すような取り組みを行わねばならないと考えております。

私は幼稚園等の運営も、結果を求められる幼児教室という、俗にいうお受験の世界でも経験して参りましたので、果たしてそれで良いのか考えてしまいます。

残念ながら多くの療育関係者は、「レスパイト」は「預かり」であると考えておられます。これは問題の先送りとなってしまわないでしょうか? 日々の取り組みにより、少しでも進歩と改善が得られるのではないでしょうか?

お子様を預けている間家事が出来たり、買い物が捗ったりと時間を有効活用されるのは良いと思います。一息つく事も大切です。しかしながら、少しでも取り組みの余地があるのであれば、見守るだけではなく、少しでもご指導頂くよう担当の先生にお願いして頂く事が良いのではないかと思います。

お子様のご指導に関してご相談がございましたら093-475-0449までお電話下さい。