NO.338 成長は波状支援が効果的…
NO.338 成長への試みは次から次に…
保護者心得 【自閉】 【LD】 【多動】 【注意欠陥】
COMPASS川崎での個人面談8日を終え、本日一旦帰福させて頂きました。朝10時30分から20時をまわる日が連日で、昼食をとる暇もない程沢山の皆様とお出会いする事が出来ました。
待っていたのは、懸案であった療育アプリがインストールされたPepper君でした。
構想2年、ものつくり補助金選定から1年、私の作業時間と、実際の開発時間は計算できておりませんが、COMPASSの企画部が取り組んだ延べ時間はこの1年だけで3458時間と膨大な時間をかけて完成を目指して参りました。
全てをお知らせする事は、出来ませんが開発された療育アプリの一コマをご紹介致します。
発語の認識も可能で、正しい発音をPepper君が判断してくれます。現在の技術でかなり精度の高い判別が出来るようになっています。
まだまだ調整段階ですが、完成をめざし、一人でも多くの子ども達の成長に繋げる事が出来るよう取り組んでおります。私も完成が待ち遠しくてなりません。
他にも、あんな事やこんな事も出来るのですが開発が完了するまで、その詳細は今しばらくお待ち下さい。
療育支援も一本やりだけでは無理なのです。
1点に力を集中する事は大切な支援の方法の一つですが、子ども達はそれほど単純ではないのです。
成長が止まった時、大きな障壁にぶつかったとき、それを打ち崩す力があればそれでよいのですが、多くの場合固い殻に阻まれて成長の獲得が止まってしまいます。
時にはその要素や、緊張や脅迫観念が、成長を大きく妨げ、退行を余儀なくされるだけでなく、プライドを深く傷つけてしまい、2次障がいや、3次障がいに繋がってしまう事もあるのです。
能力の獲得の進捗に合わせて、幾つもの並行した支援を付加する事で、新たな成長の獲得を促す事が可能となります。
点から線へ、二次元で考えれば、只の線から360度の方向から刺激を与え、そして3次元的に、心理的な支援を組み合わせる事で、子ども達の力を下から上へ押し上げる事が可能となるのです。
波状に、並行してそして何より、継続して支援し続ける事で、子ども達の自信を補強し、確固たる自信へとつながり、決断力を高め、成功体験を組み合わせる事で、本来の力を飛躍的に引き延ばす事も可能となるのです。
1点で突破出来る事は理想形ではありますが、必ず限界が生まれます。
個別にSWOT分析を施し、本来の弱み(Weaknesses)を、適切な新たな支援をスタートさせる機会(Opportunities)をもって強み(Strengths)に導く手法が子ども達の気質(Temperament )を変容させ成長に導くのです。※本来のSWOT分析のTは脅威(Threats)となり、上記の考えは、独自のものです。
子ども達の心は水に満たされた風船のようなもので、1点を押せば、張りが生まれます。あくまでも状況によりますが、状態を判断し、押し出す力を少し弱めれば、遊びが生じます。その遊びのある間に波状的に別の1点を責めるのです。
前回のお話と真逆のお話と思われる方もおられるかもしれませんが、水風船は1点で押しあげれば、破れてしまいますが、5本の指で支えれば破れる事なく、こわれそうな水風船を楽々と持ち上げる事も可能となるのです。
Pepper等ロボットを使って…と揶揄されたメールも沢山頂きました。
しかし、自閉傾向の激しいお友達は、視線を合わせる事が苦手ですが、ロボットだと正視する事もかなりの確率で可能となります。
指導も支援も楽に施す可能性も高くなります。遠隔操作する事も可能です。子ども達の特性を見ながら適時支援する事も不可能ではないのです。
ロボットを使っての療育を揶揄されていた方々は、お面をつけて子ども達を指導されたり、スカイプで指導されたご経験は恐らくないのではないかと思います。
支援の方法は一様ではないという事、どうぞご理解下さい。
そして、様々な方法で働きかけて下さい。その向こうに成長が必ず待っています。