NO.360 心の在り方が… その2

NO.360 服装が態度を変える… 
 保護者心得   【自閉】 【LD】 【多動】

30年前の話です。
独身時代、洗濯が間に合わず、白衣を着て子ども達の指導をしようとした事がありました。見知っているお友達なのですが、顔面蒼白となり泣き出してしまいました。白衣を見るたび思い出してしまいます。

これは一例ですが、服装は対峙する相手の思考に影響を与えます。

時折療育相談でスーツではなく、COMPASSのユニフォームでお会いしたりするのですが、場面設定の問題もありますが、ネクタイ着用の方が説明の飲み込みが早く、専門家として意識しやすいという事もあります。療育相談では意識を引き戻す為に映像をお見せしたり、実際の様子をお見せする事で内容把握をふかめています。

ポロシャツの解説者と、スーツの解説者では、同条件であれば、見た目の印象から、スーツの人間の方の信頼感が高くなってしまいます。様々な心理実験でもそうですが、着衣からの印象はとても大切な効果があります。

お子様の服装はどうでしょうか?

汚すから、直ぐに地べたに座り込むから、袖で涎(よだれ)や口周りの汚れをぬぐうから、「汚れても良い服」を着せるのが常であると思います。

「汚れて良い服」という感覚はご家庭によっても様々で、洗濯された清潔な物を着せている事が多いと思うのですが、中には汚れるからと、洗濯されていない、薄汚れた服を着せている事例もあり、多くの場合お友達の状態はよくなる事はありません。

今年COMPASS農園も3倍に拡張されたのですが、農園の管理は若手の職員に任せて私は出向いていないのですが、最初は一人で野良仕事をしていました。野良仕事ですから、汚れても大丈夫な古い服です。最初はしゃがんで雑草を採っていたのも、その内膝をつき、座り込んででへっちゃらになるのです。

夏の暑い時は、やぶ蚊に襲われるので、遠慮なく虫除けスプレーを振りまき、泥がはねようが、どれだけ汚れようが平気になってしまいます。汚れて良い服を着ていれば、汚れをいとわぬ行動に出てしまうのです。

逆に「汚れては困る服」を着るのはどうなのでしょうか?

以前、七五三のお洋服をお友達に着せた事があります。

本人も「汚したくない」「汚してはいけない」という意識が「大切にしなければ」という思いに代わり、背筋がのび、ポケットに手を突っ込むことがなくなり、地べたに座る事もなく、袖口で汚れをぬぐう事もなくなり、濡れた手を服でふき取り事もなくなりました。

そうです態度、行動が激変したのです。

ある女の子の場合ですと、ズボンからスカートに変化しただけで、足をそろえて座るようになり、身のこなしが女の子ぽく、エレガントになります。

汚れを気にしてやはり、座り込む事も寝そべる事も無くなります。

姿勢も変わり猫背も改善され、基本的な立ち居振る舞いに変化が生じてしまいました。

周りも汚れに気をつかいますから、それが伝わります。
汚さないようにしようと努める事が出来るようになるのです。

服装の影響でそれぞれ理想的な姿を演じる事が出来るようになるのではと考えています。それを続ける事が、それらの行動が当たり前のように吸収される事に繋がるのです。

可愛らしく着飾っていると、不思議と周りも寄ってきます。清潔な服装をしていると、傍に寄っても違和感を持たれる事もありません。

百難隠すのです。

可愛らしい服装になると、それにあった髪型も必要となり、それまで髪の毛を触られる事を嫌がっていたお友達も、直に髪をとかせるように成長した事例もあります。

洗顔や歯磨きが苦手なお友達も積極的に出来るように成長した事例もあります。

鼻水が垂れていたお友達、涎がたれていたお友達も、それそれの行為を改めようとしはじめます。

だらしなく服を着ていたお友達が、きちんとシャツをズボンに入れるようになるのです。

きちんとした行動を願うのであれば、きちんとした服装をさせてみて下さい。

最後に一つ笑い話を…

私は夏から夜にウオーキングをしているのですが、人相が悪いせいか、服装が問題なのか初めて4日で5回職務質問をされてしまいました…

どこまで怪しい人と思われたのかとう話ですが、夜遅く住宅街を普通の服で歩き回るのはそれ以後、遠くからでも目立つ白の上下に、懐中電灯をぶら下げて歩くようになりました。

懐中電灯が点滅しているせいか、今では「ピコピコさん、こんばんわ~」と見知らぬ人に挨拶されるようになってしまいました。私が歩いていると安心するのだそうです。(笑)

最近は、パトカーが挨拶がわりに赤色灯をキュルンとまわしてくれるようになりました。(爆)